| トップ | この記事へのコメント | サイトマップ | コンタクト | ログイン | | |
ネットワークオーディオ | |||
1. ネットワークオーディオって? 2. LANの基礎知識 3. ハードウェアとソフトウェア 4. 構成例#1・PCなしでもOK 5. 構成例#2・PCを活用しよう | |||
<他のセクション> | |||
| |||
- ネットワークオーディオ - |
ネットワークオーディオって? |
音楽はネットワークからやってくる マルチアンプシステムとの関係は? 導入メリットを検討しましょう まとめ - その魅力と問題点 |
本セクションは「ネットワークオーディオって何? マルチアンプシステムとどういう関係?」と日ごろ思っているオーディオファンのためのページです。
家庭内や組織内に構築されたコンピュータネットワーク(LAN)上の記憶装置(NASやファイルサーバ)に置かれている音源ファイルを手元のオーディオ装置で再生して楽しむのがネットワークオーディオです。たとえば1階のファイルサーバに置かれたハイレゾ音源を2階のリスニングルームで楽しむことがそれで、またそのためのシステム構築を楽しむこともネットワークオーディオと呼べるでしょう。
音楽はネットワークからやってくる | ネットワークオーディオ - ネットワークオーディオって? | |
|
あなたは自宅でコンピュータネットワークを利用していますか?
これは「LANはありますか」という質問と同じです。そんなものはない? でも、インターネットは利用できますよね。インターネットはコンピュータネットワークを利用するので、あなたの認識は別にして、あなたの家にはすでにLANと呼べるものが存在しています。つまり、あなたのオーディオシステムをネットワークに対応させることは、じつはとても簡単です。あなたがウェブを巡回してYouTubeのビデオ作品を見たり、インターネットラジオと呼ばれるサービスでMP3音源を聴いているなら、それはすでにネットワークオーディオの一部です。
ネットワークオーディオは「コンピュータネットワーク上に置いた音源ファイルをみんなで利用し、そのさい楽曲の関連情報も併せて参照する」ことを目的にしていますが、コンピュータネットワークはLANだけではありません。世界中のLANを接続するネットワーク、つまりインターネット(The Internet)もそうです。実際、そこでは楽曲ファイルダウンロードサービスやストリーミングサービスが展開されています。当然、これらもあなたのマルチアンプシステムの音源入手先にすることができます。
オーディオシステムをスマホ等で操作することも | |||
ネットワークオーディオシステムを構築し、同じLANにスマートフォンやタブレットPCをワイヤレス接続できるようにすれば、それらのデバイスからあなたのオーディオシステムを操作できるようになります。たとえば、広い部屋の隅に設置されたマルチアンプシステムから楽曲の再生を行うとき、あなたは自分のリスニングポイントに座ったままスマートフォン等からそれを実行できます。
複数ユーザ/複数システムだと便利です!! | |||
| |||
右の図はネットワークオーディオシステムの一般的な構成例です。LANをこのように構成するなら、同じLAN上に新たなネットワークプレーヤーやオーディオシステムを次々に追加することで、あなた以外の人もNAS等にある音源を同様に楽しむことができます。1Fのリスニングルームと2Fの寝室との異なるオーディオシステムから同じ音源にアクセスすることができます。オーディオファンが多い場合は本当に便利です。Aさんがブランデンブルグ協奏曲を楽しんでいる同じ瞬間にBさんは別室でビートルズを楽しめるのです。小規模LANでも(理論上は)200組以上のオーディオシステムを接続することができます。
あなたの家にオーディオシステムが何組もあるなら、ネットワークオーディオシステムの構築を検討してはどうでしょう。NASやPCサーバに集中させた音源ファイルをみんなで共有できます。PCが不要になる運用法もあります。
マルチアンプシステムとの関係は? | ネットワークオーディオ - ネットワークオーディオって? | |
ネットワークオーディオシステムとマルチアンプシステムとの間に特別な関係は何もありません。単に入力システムと出力システムの関係があるだけです。マルチシステムから見たとき、ネットワークシステムは単に音源入力システムの一つに過ぎません。CDプレーヤーからマルチシステムに入力を行うのと同じように、ネットワークプレーヤーまたはPCシステムからあなたのマルチシステムに入力を行うだけです。
賢い選択をしよう | |||
ただし、既存のマルチアンプシステムをネットワークオーディオに対応させる場合は機器の選択について「無駄な買い物をしない」ための注意が必要です。たとえば、近年は「ネットワークレシーバー」と呼ばれる製品分類があり、これはネットワークプレーヤーに出力システム(パワーアンプ)を内蔵させたものですが、この出力システムは無駄ですね。
また、DACやDDCを内蔵したネットワークプレーヤーもありますが、これはオーディオ初心者には便利でも、DAC/DDCの単体製品を持っているあなたにはやはり無駄な機能になるかもしれません。そもそもネットワークプレーヤーそのものがネットワークオーディオに必須というわけではありません。
導入メリットを検討しましょう | ネットワークオーディオ - ネットワークオーディオって? | |
|
LAN内に複数ユーザがいて、複数のオーディオシステムがある場合はネットワークオーディオシステムはじつに便利です。でも、オーディオシステムが一組だけで利用者も一人だけであれば、それを構築することに積極的な意味はないという意見があります。そんな場合はPCオーディオの方がむしろ賢明だというのです。
あなたはどうしますか? ネットワークがうまく機能しない場合など、面倒が増えるのは確かなんです。
ネットワークオーディオは音がいい? | |||
「ネットワークオーディオにしたら音が激変した」などという体験記事がインターネット等にあります。気になりませんか? 本当のところはどうなのでしょうか。
「良くなった」というのなら、多くは「そんな気がした」というだけのことだ。いつものことだ。人の主観ほどあてにならないものはない。
ネットワークは単にデジタルデータの伝送システムで、それが正常に機能しているならそこで音が良くなったり悪くなったりすることはない。デジタル伝送というのは実に簡単な仕組みで、伝送エラーは安価な製品でも滅多に起きない。
関連して、高価なネットワークプレーヤーを使わなければ、あるいは「オーディオ専用」と銘打ったハブやケーブルを使わなければ満足な音は出せないなどというのもデジタル技術への無理解から来ていると思う。何度言っても分からない御仁が多いようだ。
ネットワークオーディオにまつわる心配事を少なくしたいなら、PCM音源の場合に限られるが、ネットワークプレーヤーやPC等からオーディオシステムへはデジタル入力にしてほしいね。そうすれば、音の是非はあなたの現在のオーディオシステムが決定することになる。ネットワークプレーヤー等はそれに関与できない。
そのとき、ネットワークプレーヤーは単にデジタルデータをオーディオシステムに手渡すだけで、再生音質に影響が及ぶようなことは何も行わない。100万円のオーディオープレーヤーでも3万円のものでも、手渡されるデジタルデータは同じものだからね。一方でネットワークプレーヤーのアナログ出力についてはDACが介在するので、聞き分けられるかどうかは別にして機器固有の音はあるだろう。
「ネットワークオーディオならではのすばらしい音」を期待するのは的外れだということですね。「いい音」のオーディオシステムを先に構築し、そこでネットワークシステムによる付加価値を見つけようということのようです。
まとめ - その魅力と問題点 | ネットワークオーディオ - ネットワークオーディオって? | |
ネットワークオーディオの魅力と問題点についてまとめておきましょう。
ネットワークオーディオの魅力 | |||
これについては端的に、音源や音源ライブラリをコンピュータネットワーク上で管理でき、みんなでそれらを共有できるということになります。「離れた場所から音源を利用できる」や「大量音源の集中管理やバックアップが容易」、「PCなしでもデジタルオーディオを楽しめる」、「ワイヤレス(WiFi)でも利用できる」など、その他の魅力はそこから派生して生まれるものです。
そして問題点 | |||
ネットワークオーディオには以下のような問題点があります。
オーディオシステムが1組の場合は構築の意味は少ない。
これについては前述した通りです。良好なLAN環境を維持し続けなければならない。
多くのLANは当初は「つなげばすぐに使える」という状態のはずですが、長く使っているうちには様々な不具合に見舞われる可能性があります。すべての物理デバイスは経年とともに必ず劣化します。ホコリや錆による接触不良、ケーブルの劣化や断線、デバイス内蔵ソフトウェア(ファームウェア)の不具合等、ネットワークシステムはそれを支える技術要素がとても多いため、トラブルの解決に大きな負担がかかることがあります。ネットワーク利用にまつわるセキュリティリスクに注意が必要。
ネットワーク上の共有資源を利用できるのは本当に便利ですが、もしあなたのPCがウイルスやワーム等と呼ばれる悪質プログラムに感染した場合、それらもそこへアクセスできることに注意が必要です。ランサムウェアと呼ばれるタイプのものはとくに危険で、ネットワーク上の共有ファイルがすべて暗号化されてしまい、使用不可になります。音源ファイルならそれほど重大ではないかもしれませんが、会社の重要ファイルであれば大変です。そんなことにならないように、あなたのPCを含むネットワーク上のすべてのPCやデバイスについてセキュリティ上の弱点がないか常に注意を払ってください。具体的には次ページ「LANの基礎知識」から「LANのセキュリティ」を見てください。NASやファイルサーバ(PCサーバ)は常時電顕を入れておく必要がある。
LANのユーザがいつNASやファイルサーバにアクセスしてくるか分かりませんよね。旅行先から自宅のファイルサーバにアクセスできるようにしている人もいるでしょう。すると、それらがいつも利用できる状態でないとせっかくのネットワーク共有の価値が半減してしまいます。つまり、NASやファイルサーバの電源は入れたままにしておかなければならない場合があります。PCオーディオより一般に再生パフォーマンスは低い。
ストリーミングサービスを利用する場合を除き、ネットワークオーディオにおける楽曲再生は、(1) ネットワークプレーヤーやPCからNASやファイルサーバにアクセスし、(2) そこから該当ファイルをひとまず手元にコピーし、(3) それを音楽プレーヤーから再生するという手順になります。ファイルのコピーや伝送で時間がかかってしまいます。ハイレゾ音源はファイルサイズが巨大な場合があり、ストレスを感じるほどになるかもしれません。その間、再生が開始されるまで待たなければなりません。これが「パフォーマンスが低い」ということの意味です。ネットワークオーディオは音が悪くなるという意味ではありません。LAN内ユーザ数が増えた場合は再生パフォーマンスが低下することがある。
すべてのLANは単位時間内にそこで伝送可能なデータ量(スループット)に制限があります。ネットワークユーザはその制限内でオーディオを楽しむことになります。当然、同時利用ユーザ数が多くなれば一人あたりのデータ伝送量は低下し、パフォーマンスが低下します。必ずしも音が悪くなるという意味ではありません。詳細については次ページ「LANの基礎知識」から「LAN内ユーザはスループットの分捕り合戦をやっています!!」を見てください。ネットワークプレーヤー内蔵の楽曲管理ソフトウェアは機能十分と言えないものがある。
通常、ネットワークプレーヤー製品は固有の楽曲管理ソフトウェアをインストールして販売されています。BluetoothやWiFiを利用し、タブレットやスマートフォンからそれにアクセスして楽曲再生を行うはずです。このソフトウェアの出来ばえはとても重要ですが、率直なところPCオーディオにおけるfoobar2000などの音楽プレーヤーと比べて十分に高機能と思えないものが多いようです。Bluetooth接続ではハイレゾ楽曲の再生は難しい。
ネットワークオーディオは有線接続(ケーブル接続)でもワイヤレス接続(BluetoothやWiFi)でも利用できまが、伝送帯域の制限によりBluetoothでは24bit/96kHz以上のハイレゾ音源の利用は難しいでしょう。独自の(標準化されていない)コーデックで実現可能にしている製品もありますが、技術の永続性や製品サポートに疑問があります。製品選択によっては大きなコストがかかる。
いつものことですが、オーディオ関連製品には非常に大きな価格差があります。あなたの製品選択によっては貯金を減らすことになるかもしれません。
常識を重んじ、基本性能に注目しよう。「デジタル変換やアナログ変換の段数をできるだけ減らす」ようにシステムを構成すること、可能な限りデジタルのまま機器間の伝送を行うことを心がければ普及価格帯の製品で十分だと思うね。意味不明かな? 次ページ「LANの基礎知識」を見てほしい。
前のページ(PCオーディオ - PCオーディオ活用法) | 次のページ(LANの基礎知識) | ネットワークオーディオ |
Copyright(C) 2018-2022 S&G Hermitage. All rights reserved. |