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ネットワークオーディオ | |||
1. ネットワークオーディオって? 2. LANの基礎知識 3. ハードウェアとソフトウェア 4. 構成例#1・PCなしでもOK 5. 構成例#2・PCを活用しよう | |||
<他のセクション> | |||
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- ネットワークオーディオ - |
構成例#2・PCを活用しよう |
基本構成 ファイルサーバ(PCサーバ)のセットアップ クライアントPCのセットアップ |
このページはネットワークオーディオシステムをWindows PCとWindows OSを搭載したファイルサーバで構築する場合のヒントを書いています。NASとネットワークプレーヤーを使う場合については前ページ「構成例#1・PCなしでもOK」を見てください。
なお、PCとファイルサーバを利用するネットワークオーディオは事実上の「PCオーディオ」です。このため、PCオーディオの利点をそのまま活用できます。詳細については [PCオーディオ] セクションを読んでください。
基本構成 | ネットワークオーディオ - 構成例#2・PCを活用しよう | |
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PCやファイルサーバ等を利用してネットワークオーディオシステムを構築する場合の基本的な構成は右図のようになります。ネットワークオーディオのために既存のオーディオシステムを変更することは何もありません。
LANのセットアップについては本セクションの「LANの基礎知識」ページから「LANのセットアップ」を見てください。
右図は有線LANのように書いていますが、関連機器がワイヤレス接続機能を持っているならそれを利用することができます。ルータの大部分はワイヤレスアクセスポイント機能を持っているので、右図のWiFi機器は不要な場合があります。スマートフォンやタブレットはWiFiまたはBluetoothでLANに接続します。
ファイルサーバは必ずしもWindowsのサーバ版(Windows Server 2019など)を搭載する必要はありません。LAN内ユーザが10人程度以下ならWindows 10などクライアント版を搭載した安価なPCをファイルサーバとして動作させることができます(PCサーバ)。セットアップの詳細は本ページの「ファイルサーバ(PCサーバ)のセットアップ」を見てください。
PCとオーディオシステムのセットアップは [PCオーディオ] セクションに書いた通りにしてください。付加情報が本ページの「クライアントPCのセットアップ」にあります。
楽曲の再生はPCにインストールしたfoobar2000等の音楽プレーヤーから行います。
インターネットのストリーミングサービスは音楽プレーヤーまたはウェブブラウザ等から利用できるでしょう。
24bit/96kHzを超えるハイレゾ音源をDCX2496環境で楽しむには? | |||
デジタルチャンネルデバイダーへのデジタル入力にこだわると、24bit/192kHzや32bit/192kHz等の音源を聴けなくなってしまいますね。それらの音源をマルチアンプシステムで聴いてみたい場合はどうすればよいのでしょうか。
いずれにしても本来の音では再生できない。24bit/96kHzの音と32bit/192kHz等の音との差を実際に聴き分けられるなら残念なことだ。歳のせいで私の耳は性能がアレだから少しも残念ではないが。
DCX2496へのアナログ入力ならオリジナル音源がどれほど高解像度だろうと問題がないから試してみればよい。小庵でも32bit/192kHzの音源をDACから出力してアナログ入力を試してみたが、率直なところ差は分からなかった。DCX2496が24bit/96kHzに変換してしまうのだからオリジナル音源が持つ楽曲情報を再現しきれないのは当然と言えるが。
32bit/192kHz以上で動作するチャンネルデバイダーが発売されれば興味深いし技術的な課題は今ではないと思うが、その可能性はなさそうだね。SR現場の技術者もそんな高性能は少しも必要ではないという雰囲気だ。「人間の聴覚のためには意味がない」という声もある。デジタルチャンネルデバイダーの最高峰の一つと言われるAccuphase社のDF-65は24bit/192kHz止まり(S/PDIF)だ。
マルチチャンネル音源の再生について | |||
近年、PCM音源やDSD音源の中にはマルチチャンネルのものがあり、インターネットのダウンロードサービス等からそれらを入手できますが、ネットワークオーディオでもこれらは再生できるのでしょうか。
ただし、音源データをどう出力しDACやDDC等をどう選択するかでシステム構成が変わる。
USB DACからアナログ出力を行う場合、マルチチャンネルに対応したDACが必要だ。製品は販売されているが、24bit/96kHz音源までの対応のようだ。アナログ出力の場合、そのままオーディオシステムに入力できて便利だが、DCX2496のようなデジタルチャンネルデバイダーを利用するオーディオシステムでは音量管理で問題を抱えるかもしれない。
USB DAC/DDCからS/PDIF(光または同軸)インターフェースによるデジタル出力を行う場合、出力に先立って音源データをDTSやDolbyでエンコードしなければならないので、それに対応するDAC/DDCが必要になる。製品はあるようだ。DSD音源には対応できない。
マルチチャンネル音源をS/PDIFインターフェースからオーディオシステムに出力する場合、オーディオ信号を受け取った側がそれをデコードする必要がある。だからデコード機能を持つマルチチャンネル対応DACかそれを内蔵する機器が必要だ。AVアンプならアンプ側でS/PDIF入力のデジタルデータを自動認識して5.1チャンネルにデコードしてくれるから、そこからのプリ出力(アナログ)をマルチアンプシステムに入力できる。
なお、S/PDIFで伝送できるのは24bit/192kHzまでのPCM音源だが、foobar2000などの音楽プレーヤーは出力時に任意のダウンサンプリングを行えるので、32bit/384kHzのような極端なハイレゾ音源であっても再生ができないわけではない。また、DSDに対応できないDAC/DDCのためにPCMで出力するオプションも利用できる。
HDMIインターフェースによる出力が可能なデバイス(サウンドカードやオーディオインターフェース)を使う場合、そこからのHDMI出力を受けられて全チャンネルのAD/DD変換が可能な機器が必要になる。端的にはAVアンプだ。つまり、SACDプレーヤーをHDMIでAVアンプに接続してDSD 5.1マルチチャンネル音源を楽しむ場合と同様の構成になる。
ファイルサーバ(PCサーバ)のセットアップ | ネットワークオーディオ - 構成例#2・PCを活用しよう | |
サーバって? | |||
コンピュータ技術で言うときの「サーバ」は「何らかのネットワークサービスを提供するコンピュータ」のことです。一方、サーバにアクセスしてサービスを受ける側のコンピュータを「クライアント」と呼びます。たとえば、LAN上に構築された音源ファイル共有サービスをあなたが利用しているとき、あなたのPCはクライアントで、アクセス先のコンピュータは(Windows 10 PCであっても)サーバです。ファイル共有サービスを提供しているので「ファイルサーバ」と呼びます。メールサービスやウェブサービスなど、インターネットの多くのサービスはサーバ(メールサーバ/ウェブサーバ等)とクライアントとの役割が決まっています。
サーバとクライアントと言っても、ハードウェアやOSの基本構造では両者に本質的な差はないので、安価なノートブックPCでもセットアップ次第でサーバとして動作させることができます。たとえばそれをインターネットに接続して適切なソフトウェアを動作させれば、世界が注目するウェブサイトをそこに構築することができます。ただし、本格的なサービスのためには事故や故障への対応を考慮したハードウェアの利用や、セキュリティ技術の追加利用、大切なデータを失わないようにするための支援技術等も検討する必要があります。
機器の準備、性能の問題 | |||
ファイルサーバは2020年の最安価ノートブックPCでも実現できる一方、本格運用のためには専用システムを利用することもできます。あなたの環境に応じた機器選択を行ってください。実を言えばNASもファイルサーバの一つなんです。
専用ハードウェアにWindows Server 2019などサーバ専用ソフトウェアを搭載する場合を除き、サーバの基本性能については、LAN内ユーザが数人程度なら普及価格帯のノートブックPCでもデスクトップPCでも問題がないはずですが、放熱性能やディスクアクセス性能、拡張性を考えた場合は一般にデスクトップPCが有利です。比較的に安価であることも有利です。
- ディスク装置はハードディスクよりSSDの方が高速ですが、LANの平均的なスループット性能を考慮すればハードディスクでも十分に高速です。
- ディスク容量はすべての楽曲ファイルを格納した上で数GB(ギガバイト)以上の空きスペースを確保できるように準備しましょう。2020年には2TB(テラバイト)、7200回転のハードディスクが安価です。デスクトップPCはディスク装置の追加が容易です。
- 搭載メモリはWindows 10の場合は4GBあればファイルサービスには十分です。Windows Serverの場合は8GB以上を推奨します。
- ネットワークアダプタは1000Mbps(1Gbps)以上の性能を持つものを推奨しますが、LANケーブルやルータ、ハブ等がそれに対応していない場合は性能を生かすことはできません。
- ファイルサーバをワイヤレス接続するのはすすめられません。ハイレゾ音源を配信する場合は特にすすめられません。
- サーバ用PCの日常使いはやめましょう。たとえばそこで文書作成やメール処理等は行わないようにしましょう。モニターやキーボード等を取り外して部屋の隅っこで運用している人もいます。
- サーバの放熱対策に注意しましょう。この点で、中型以上の(スカスカの)ケースを持つデスクトップPCを推奨します。
- 停電が多い環境では、無停電電源装置(UPS)の導入を検討しましょう。
- Windows 10などクライアント用OSを標準インストールした場合、意味のないバックグラウンドサービスが多量に動作するので、それらをしらみつぶしに停止させましょう。これによりファイルサーバとしての動作が目立って軽くなるだけでなく、ソフトウェア上の様々なトラブルを回避できるようになります。
- サーバ機やクライアント機とオーディオシステムとはできるだけ間隔を空けて設置するよう努力してください。
ネットワークの設定に注意 (プライベートネットワークとパブリックネットワーク) | |||
近年のWindowsはセキュリティ対策が強化され、それを搭載するPCをコンピュータネットワークに接続する場合、「そこが安全なネットワーク(プライベートネットワーク)なのか、それとも安全ではないネットワーク(パブリックネットワーク)」なのかを区別し、安全ではないネットワークに接続した場合にはネットワーク共有機能などを利用できないようにしています。もしもあなたのファイルサーバに他のPCからアクセスできない場合にはこの点を確認してみましょう。
Windows PCが現在どのタイプのネットワークに接続していると認識しているかは、(1) [コントロールパネル]-[ネットワークとインターネット]-[ネットワークと共有センター] で "アクティブなネットワークの表示" を見るか、(2) スタートメニューの [設定] ボタンから [ネットワークとインターネット] を開けば分かります。
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パブリックネットワークへの接続と表示される場合はそれをプライベートネットワークに変更する必要があります。
変更するには前記(2)ページを開き、"接続プロパティの変更" から「ネットワークプロファイル」ページで "プライベート" を選択します。
共有の設定 | |||
Windows 10 Proを搭載するファイルサーバでネットワークオーディオのためにファイル共有の設定を行うには以下のようにします。Windows Server 2019などサーバ専用機の場合も同様に作業を行います。
たとえば、Windowsの¥MUSICフォルダを共有するには以下のようにします。
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- Windowsのエクスプローラを起動し、¥MUSICフォルダが存在しなければそれを作成します。その後それを選択してエクスプローラの右ボタンメニューから "プロパティ" ページを開きます。そのまま "共有" タブを選択します。
- "このフォルダーを共有する" にチェックをつけ、任意の共有名を指定します。フォルダ名と同じにする必要はありません。その後 [アクセス許可] ボタンをクリックします。
- "共有アクセス許可" ページを見れば、どのWindowsアカウントにどのようにアクセスが許可されるかが表示されます。上のサンプルは、このWindowsマシンに登録されているすべてのアカウント(Everyone)がこの共有に対する "読み取り" 権限を許可されることになります。ネットワークオーディオにおいてはクライアントPCから楽曲の再生が可能になるということです。ただし、そのクライアントPCで使うWindowsアカウントがサーバ側にもローカルアカウントとして登録されている必要があります(WindowsネットワークがWorkgroup構成の場合)。
共有機能の利用にはセキュリティ上のリスクがあります。たとえばクライアントPCがマルウェア(ウイルスやワーム、ランサムウェア)に感染した場合、そこから共有にアクセスされて不正操作が行われてしまうかもしれません。マルウェアの心配はなかったとしても、行儀の悪いネットワークユーザがそこで何をするか分かりません。大切な楽曲ファイルを削除されてしまったら困りますよね("変更" 権限で可能)。
そこで、ネットワークオーディオのためのファイル共有では、上図のように "Everyone" に対して "読み取り" のみをチェックするのが適切です。楽曲ファイルを共有フォルダに置くためには管理者アカウントでファイルサーバにローカルログイン(サインイン)して必要な作業を行ってください。
ユーザアカウントの登録
ファイルサーバがWindows 10の場合、ローカルアカウント(オフラインアカウント)を登録するには以下のようにします。
- スタートメニューから [設定] メニューを開きます。
- [アカウント] メニューを開きます。
- [家族とその他のユーザー] メニューを開きます。
- "その他のユーザーをこのPCに追加" をクリックします。
- [このユーザーはどのようにPCにサインインしますか?] ページで、"このユーザーのサインイン情報がありません" をクリックします。
- [アカウントの作成] ページで、"Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する" をクリックします。
- [このPC用のアカウントの作成] ページが開くので、ユーザ名とパスワード、パスワードを忘れた場合の質問と答えを指定します。
- 以上で1個のアカウントを作成できます。このアカウントは非管理者です。
めんどくさいですね。以前のWindowsはもっとシンプルにローカルアカウントを作成できました。Windows 10ではMicrosoftアカウントはすぐに作成できても、ローカルアカウントについては「一体どこから?」と古くからのWindowsユーザでも迷うようになっています。以前は「ローカルアカウント」と呼んでいたものを「オフラインアカウント」と呼び換えているのも困ってしまいます。
30年以上もこの会社を観察しているが、製品を気ままに変えてしまうという点で一貫している。
「わが社が作ったものはどれでも最高だから、文句を言わずに使いなさい」と言う態度だ。ユーザ本位ではない。
アカウントがないユーザにも共有フォルダへのアクセスを許可するには | |||
ネットワークオーディオで使うだけのためにファイルサーバでいちいちクライアントPC側のアカウントを登録するのは面倒ですか? それはもっともです。あなたのLANが安全だと確信を持てるなら利便性も大切ですよね。
その場合、下図のように (1) [コントロールパネル]-[ネットワークとインターネット]-[ネットワークと共有センター] を開いて "共有の詳細設定の変更" をクリックし、(2) "すべてのネットワーク" から、(3) "パスワード保護共有を無効にする" にチェックをつけます。
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クライアントPCのセットアップ | ネットワークオーディオ - 構成例#2・PCを活用しよう | |
ネットワークオーディオのためにWindowsクライアントPC側で行うことは、(1)foobar2000等の音楽プレーヤーをインストール・セットアップし、(2)そのプレイリストに共有フォルダにある楽曲ファイルを登録するだけです。これらの詳細は [PCオーディオ] セクションに書いてあります。
ネットワーク共有上の楽曲ファイルを登録 | |||
foobar2000等の音楽プレーヤーにLAN上の楽曲ファイルを登録するにはWindowsのドラッグアンドドロップ機能を利用すると便利です。そのためには、クライアントPC側のデスクトップにファイルサーバのショートカットを作成し、クリック一回で楽曲ファイル一覧を見られるようにしておけば便利です。そこから楽曲ファイルを選んで音楽プレーヤーのプレイリストウインドウにドロップしてください。
以下は、ファイルサーバの名前が "SOOPOO" で、そこにある共有フォルダの名前が "MUSIC" だとし、それを "S&Gライブラリ" という名前でショートカットを作成する場合の設定サンプルです。
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共有の場所(項目の場所)を ¥¥SOOPOO¥MUSIC と書いているのは「SOOPOOという名前のコンピュータ上にある共有名MUSIC」という意味です。IPアドレスが分かっている場合は "¥¥192.168.0.100¥MUSIC のように書くこともできます。Windowsではこのような書式(フォーマット)でネットワーク上のフォルダやファイルを記述します(大文字と小文字は同一視)。たとえば、共有上に Something.flac という楽曲ファイルがあるのなら、それは ¥¥SOOPOO¥MUSIC¥Something.flac と場所が記述されることになります。
Macintoshクライアントはどうしたらいい? | |||
Windowsネットワークで使われるファイル共有プロトコルはSMBと呼ばれるものです。一方、Macintosh PCはデフォルト設定ではSMBを使わないので、そのままではWindows共有にアクセスすることはできません。Mac OSを搭載したPCからWindowsサーバ上の共有にアクセスするには、その [システム環境設定]-[共有]-[ファイル共有]-[オプション] から "SMBを使用してファイルやフォルダを共有" にチェックをつけます。これでWindows共有にアクセスできるようになります。
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