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     はじめに読んでください
1. S&G小庵について
2. サイトの目的、対象読者
3. いい音に近づくために
4. オーディオの現在と未来
5. 編集者から
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 - はじめに読んでください -
サイトの目的、対象読者
サイトの開設目的と実現目標
マルチアンプシステムとは?
マルチはホントにすごい?
おすすめの読者について
地獄の門へ入る?
   

ハロー!!
ぼくはラブラドールレトリバー犬soopooです。どうぞよろしく。
このページはぼくが書きました。信じられない? でもそうなんですよね。

他のページは小庵のGが書くことがあります。Gはぼくの保護者です。
たくさんの記事を書くことになるので、交代制なんです。

本ページではS&G小庵サイトの開設の目的をお知らせします。
それと、Gやぼくの記事がどんな読者を意識しているかについてもお知らせします。

サイトの開設目的と実現目標 
はじめに読んでください - サイトの目的、対象読者 

S&G小庵サイトは、趣味としてのオーディオの一つの到達点といわれるマルチアンプシステムの構築例を、オーディオに興味を持ち始めて年数の浅い人にも分かるように、またポケットマネーを慎重に使わなければならない人にも参考になるように、具体的に示すことを目的にしています。

      古生代オーディオへの批判が?

犬は正直です。白状すれば、マルチアンプシステムでオーディオなんて今さらずいぶん気が引けます。近所のオーディオファンでマルチを楽しんでいる人は今ではもう一人もいません。そうなんです。時代は変わってしまいました。今の若者はLPレコードを見たことがなく、CDもSACDもDVDもBlu-rayも操作したことがありません。

「マルチで音楽を」などと言い出せば家族から迫害されるかも!!

 
Gのコメント
マルチアンプシステムなんていわば古生代オーディオだからね。おじいちゃんのオモチャだと多くは家族から批判されているはずだ。なんとか復活してほしいものだと思ってるんだが、重いし場所を取るし金がかかることもあるしね。

 
soopooのコメント
ときどき、Gやぼくが記事の途中にコメントをはさむことがあります。
Gの話があまり長いときは、どうぞ途中で読み飛ばしてくださいね。

でも「いい音で音楽を」ということに若者が興味がなくなったわけではないようです。実際、彼らのイヤフォンやヘッドフォンはすばらしく高音質なんです。すると、もし「マルチアンプシステムで最高度の音を」ということなら注目してもらえるかもしれませんね。

      びんぼうオーディオへの批判が?

小庵は「ポケットマネーを慎重に使わなければならない人」を読者として考えているので、高価な製品を記事で取り上げることはありません。オーディオ関連機器やそれらの構成について小庵の選択はマニアの一部から批判されるかもしれません。

 
Gのコメント
そうだね。マルチアンプ志向派は製品選びに強くこだわるし、舶来趣味だし、ハイエンドが好きでオーディオアクセサリーにも目がないからね。小庵は、いわば「びんぼうオーディオ」を目指すことになるから、きっと彼らには目障りになるだろう。お説教が始まると思ったほうがいいぞ、soopoo。

小庵記事への批判が読者諸氏に届いたときや、読者自身が自分のシステムに疑問を感じたときは [ホンの基礎知識] セクションの「FAQ-むだづかいにNO!」ページを読んでほしいと思う。批判や誘惑に対してどう対応するかヒントがある。

   
- 満足曲線 -

右の図は小庵で「満足曲線」と呼んでいるもので、システム構築における投資額と満足度との関係を表しています。可変抵抗器のCカーブ特性のようですね。オーディオ機器への投資額を大きくすれば一般に機器の性能が上がって大きな満足があるものの、その度合いは必ずしも投資額には比例せず、最終的には性能向上はなくなり、特別な感動も感じられなくなります。

ぼくには不思議ですが、そうなっても引き続き大金を投じようとする人がいるようです。投資すること自体が目的なのでしょうか。Gによれば人間の趣味はそんなものらしいですね。

      30%の投資で80%の満足を

小庵のチャレンジは「30%の投資で80%の満足」を目標にします。「30%」はあなたが小庵サイトを見る前に予想していた金額を基準にしています。「最低でも100万円は必要」などと言っているマニアがいるようなので、仮にそれを基準にするなら給料1ヶ月分です。「80%」についてはどう考えますか? 「ほぼ満足」でどうでしょう? 「大いに満足」と「完全に満足」は次のステップのあなたの課題です。

なお、小庵はあなたが高額路線を選ぶことを批判するものではありません。またマニアの超高額路線を批判するものでもありません。趣味はさまざまで、みんなが自由に自分の道を選ぶことができます。あなたの選択を小庵は尊重します。小庵はあなたがどの道を選んだとしても参考になるよう、慎重に記事を書きます。

マルチアンプシステムとは? 
はじめに読んでください - サイトの目的、対象読者 

市販の一般的なオーディオシステムとマルチアンプシステムとの違いは以下の図を見てください。

      一般的なオーディオシステム

市販の一般的なオーディオシステムの場合、上の図の「入出力装置」と「パワーアンプ」を一体化させているものが多く、それをプリメインアンプと呼んでいます。スピーカーシステムについては、低音用ユニット(ウーファー)と高音用ユニット(トゥイーター)に分けて音を再生する場合を2-way(ツーウェイ)システムと呼び、これに中音用ユニット(スコーカー)を追加した場合を3-way(スリーウェイ)システムと呼びます。4-way(フォーウェイ)以上のシステムもあり、その場合は中低音や中高音のユニットまたは超低音用または超高音用のユニットなどが追加されます。市販の一般的なオーディオシステムではすべてのユニットを1個の収納箱(エンクロージャ)に入れることがほとんどです。

   
- ネットワーク装置 -

パワーアンプからスピーカーシステムへの接続は一般的にチャンネルあたり1本のケーブルです。1本のケーブルを低音から高音までのすべての音楽信号が流れるということです。この音楽信号はエンクロージャ内に設置されている「ネットワーク」または「LCネットワーク」、「デバイディング ネットワーク」、「クロスオーバー ネットワーク」、「フィルタ」などと呼ばれる装置で所定の周波数帯に分割され、その後ウーファーなどの専用ユニットに送られます。ネットワーク装置は銅線でできたコイルコンデンサー抵抗で構成され、組み合わせ方によって高域周波数や低域周波数を減衰させ音量も調節しています。

      マルチアンプシステム

マルチアンプシステムの目的は、(1) 一般的なスピーカーシステムからネットワーク装置を取り払って高品質な音の再生を目指すこと、(2) スピーカーユニットやエンクロージャを自由に組み合わせてオリジナルのシステムを楽しむこと、などになります。オーディオファンはいつも「自分のシステムを少しでも満足できるように、少しでもいい音で聞けるように」と思っていますが、要するにそれを実現するための一つの選択肢がマルチアンプシステムです。

マルチアンプシステムではスピーカーシステムをあなたが自作するか市販のものを改造することになります。自作と言っても、スピーカーユニットについては市販のものを購入することがほとんどです。

マルチアンプ派のオーディオマニアが「メーカー製スピーカーは妥協の産物だ」などと言って、大型エンクロージャを自作して38cmなどのウーファーを入れ、エンクロージャの上に高価なスコーカーやトゥイーターを設置して自慢げにしている写真を見たことはありませんか。開口部が直径1mを超えるようなホーン型のスコーカーもあって、たしかに存在感がありますね。中には壁や天井の全面に開口するほどの低音用ホーンスピーカーを設置している人もいるそうです。でも、それは好きにしてもらいましょう。

マルチアンプ派の重要な主張に、「せっかく高価なアンプやケーブル類を準備しても、それを台無しにするものがスピーカーユニットとの間にはさまっていたら何にもならないじゃないか」というものがあります。「台無しにするもの」とはネットワーク装置のことです。実際、そこに使われているコイルを取り出して伸ばせば数m以上になることがあります。見えない場所にあるからか、品質の十分でない銅線が使われていることもあります。Gは「1cmだってスピーカーケーブルを短くしたいのに、コイルのおかげでパーだ」と言っています。

ネットワーク懐疑派の意見をまとめると以下のようになるでしょう。

これらの点の多くについては理論上の根拠があって実際に測定器で確認することができます。

すると、マルチアンプシステムでないと本当に聴きたい音は聴けない? オーディオはマルチで終わり?

マルチはホントにすごい? 
はじめに読んでください - サイトの目的、対象読者 
   

ネットワーク装置を取り払ってマルチアンプシステムにすることが本当にすばらしいと言うためには、そうではないシステムとの差がオーディオファンにとって明瞭であることが必要ですが、動作テストなどでそれは確認できるのでしょうか。そこが問題ですよね。測定器でないと見つけられない差は人間にとっては「ない」のと同じという人もいます。

科学的に意味のあるブラインドテストは準備が大変なので、ちょうど市販の中型3-wayスピーカーシステムを何台か小庵で手に入れた折に、それをそのまま鳴らした場合とネットワーク装置をバイパスさせてマルチアンプシステムで鳴らした場合とで簡易に聴感を比較したことがあります。音量や位相タイムアラインメントなどの調整を行った上での聴取テストです。

      半分の真実

比較した結果、音源により、または楽曲ジャンルによっては、マルチアンプシステム側に大きな優位性を、率直に言って圧倒的なものを感じることがありました。でも、どんな場合もそうかとなれば、それは難しいとぼくは思いました。それどころか「ひどい音だ」と感じることもありました。市販システムならそこそこに聴ける音源が、マルチアンプシステムで音が悪くなったのでは何のためのマルチシステムかということになりますよね。

音源の品質がそのまま現れてしまうのがマルチアンプシステムなのかもしれません。その後、小庵はシステムの調整を進め、お気に入りの音源はほとんどマルチアンプシステムで聴くようになっていますが、同じ曲を非マルチシステムで聞いた場合との差をいつも聞き分けられるかといえば、その確信は今でもありません。

結局、「よく分からない」というのがぼくの半分の真実です。Gも同じで「マルチシステムと非マルチシステムの差を十中八九判別できる人は50年間一度も見たことがない」と言っています。

小庵への訪問者の反応もさまざまで、マルチシステムだと聞いても「ほう」でおしまいの人がいます。何も感じないのでしょうね。マルチシステムのあとで12cmフルレンジスピーカーを入れたバックロードホーンを聞いて「おお、これはいい」などと言う人もいます。

すると、どうなりますか?
小庵でマルチアンプシステムにチャレンジすることにどんな意味が?
時間とお金のむだでは?

      残りの重大な真実

「よく分からない」と書きましたが、でもそれだけを結論にすることはできません。マルチアンプシステムの知識をまったく持たない人が小庵に来て「ウチとぜんぜん違う」と驚くこともあるのです。ぼくについて言えば「マルチシステムの方がなんとなく音がきれいだね」で、「なんとなく」のときが多いのですが、一方で「いや完全に違う、ぜったい違う」と断定したくなるときも少なくありません。そんなときは、マルチシステムについてみんなにE-mailを書きたくなります。

Dear おともだち

あなたはコンサートホールやライブスタジアムで生演奏を聞いたことはありますか? S席での鑑賞は? 生の楽器の音はすばらしいですよね。大きな音がするのにうるさくありません。S席ならいっそうです。

でも、そこであなたが聞いている音は10m以上むこうからの音ですよね。音はあなたに届くまでに拡散されて最初のエネルギーを失い、混じりあい、細かな倍音は消えかけています。観客席で聴いている限り、それは仕方のないことです。

もっとリアルな音の世界に入りたいと思ったことはありませんか? たとえばステージ上の指揮者はどう聴いているのでしょう。チェロ奏者は背後のコントラバス群の地響きのような音を聴いているはずですが、それはどんなものなのでしょう。

マルチアンプシステムを上手にセットアップすれば、それに近いものを、観客席の平板な音を超える生々しい音の世界を、ひょっとするとライブ以上のものを、あなたのリスニングルームに創り出せる可能性があります。

ああ、ぼくはどうすればいい? 続けるべきか、終わるべきか。

 
Gのコメント
soopoo、いつまでグダグダ書いているんだ。

オーディオは趣味のことだ。好きなことを好きなだけやるのが趣味だ。行ったことがない道があるからそこへ行くのだ。ひどい運命が待っているかもしれないが行ってみないと分からない。危険なにおいもあるから趣味なのだ。ヒマなときの時間つぶしは趣味ではあり得ない。

それだけだ。しかもそれだけだ。文句があるか。理屈を言うからケンカになるんだ。人間がすることは犬にはばかばかしいことだらけだろうが、それがどうした。そんなことに価値を置くことがあるのが人間なのだ。

思うに、「やるだけやった」という気分を手に入れたいのさ。この高等かつ高踏な気分へのチャレンジ権は、かわいそうだが犬には与えられていない。人間だけのものだ。そうだとも。人間は変なのだ。とくにオーディオマニアはね。

 
soopooのコメント
G、ぼくと言葉遊びをしたいんですか? 韻踏み遊びを? それじゃぼくは叩頭します。(:-
あっ、でも分かったことがあります。それでGは無駄遣いするんですね。
奥のほうに一度も使わないゴミみたいなのがたくさんある意味が分かったかも。

Gのコメントは言いたい放題になることがあるので、急いでいる人は読み飛ばしてください。マルチアンプシステムを構築する上で重要な情報はコメントには含まれません。

おすすめの読者について 
はじめに読んでください - サイトの目的、対象読者 

   

さて、小庵サイトの記事は以下のような方々が読むものとして書かれています。

読者の範囲を書いてしまいましたが、これはサイトのコンテンツが広範囲になりすぎてしまうのを防ぐためで、その他のオーディオファンやマニアの方々が選択している趣味の行動を否定しているのでは決してありません。Gが書いたように、趣味のことは「好きにすればいい」のです。

 
Gのコメント
いや、「マニアの方々の選択」については少しは言っていいと思うね。
平和主義者soopooには無理だと思うが。

古くからのオーディオ文化は今や死の床にあるように私には見える。新しい世代の趣味は多様化しているし、重厚長大オーディオの担い手だった団塊世代の人々が日々に人生劇場から退場しているからそれも無理はないが、一部の魑魅魍魎乱暴狼藉のおかげでその死期が早められたのではないかということは指摘してよいと思う。つまり、こういうことだ。

敬愛できる先人たちがいることはもちろん忘れることはできない。しかし、これまでオーディオ文化を主導してきた関係者のうちで、機器メーカーの大部分、批評家の多く、活発な末端愛好家の半ばが、それぞれ紙誌や電子媒体に書きしるし、また発言してきたことが、結局のところ、他の多くの善良なオーディオファンにただ時間と金を空費させ、失望させてきたことが、その衰退の一因になったのではないかと私は思う。

メーカーは勢いがあるときにせめて10年か20年の計を考えるべきだったが、実際にはもっぱら目先の消費者に迎合するばかりだったし、批評家は生活事情のためかせっかくの筆力を提灯記事のためにしか使わず、上下の愛好家の多くはオーディオ文化の正当な担い手を努める一方で片隅から片隅へとほじくって限りなく偏向と独断を繰り返し「どうだオレの見識は」とでも言いたいふうだった。マニアを気取る者はたいてい自宅にJBLなどの大型スピーカーを飾っていたが、6畳や8畳ではJBLが気の毒だと言う者はいなかった。

その結果が今見ている景色だ。

 
soopooのコメント
始まりましたね。
読者のみなさまにはごめんなさい。
G、そろそろ散歩の時間なんだけど……。
ぶんぶん。

地獄の門へ入る? 
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マルチは地獄への道だ ― オーディオ界の先人たちがそう言っています。

ぼくにはおもしろそうです。ぼくのご先祖は猟犬だったので、洞窟へ突進するのはOKです。わくわくするくらいです。何かにぶつかって痛い思いをすることはありますが、そのかわりたくさんの発見があります。

何かを始めるとき、Gはいつも同じです。 「よし行けsoopoo、ビーフジャーキーが待ってるぞ」

マルチアンプシステム構築には多くの時間や労力が必要で、お金がかかることもあり、それなのに失敗が多く、家族にさえ白い目で見られることもあるので、先人たちのアドバイスは無理もありません。ちょっと覚悟が必要ですね。でも、ぼくとGがお手伝いをします。

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