トップ  |  この記事へのコメント  |  サイトマップ  |  コンタクト  |  ログイン  | 
     はじめに読んでください
1. S&G小庵について
2. サイトの目的、対象読者
3. いい音に近づくために
4. オーディオの現在と未来
5. 編集者から
<他のセクション>
* はじめに読んでください 
ホンの基礎知識» 
何が必要ですか?» 
構成例・予算例(2ch)» 
チャレンジ2ch 3-way» 
チャレンジ2ch 4-way» 
チャレンジ5chマルチ» 
PCオーディオ» 
ネットワークオーディオ» 
メンテナンスメモ» 
試聴しますか?» 
あとがき» 
 - はじめに読んでください -
オーディオの現在と未来
オーディオとの出会いはどうでしたか?
瀕死の重厚長大オーディオ
マルチアンプシステムは生き残れる?
デジタル時代のオーディオ
未来のオーディオ
改めて小庵の目的を
   

このページはラブラドールレトリバー犬soopooが書きました。
もう信じてくださいね。

急いでいる人はこのページは読み飛ばしてください。 [はじめに読んでください] セクション全体を読み飛ばしても困りません。次のセクション [ホンの基礎知識] 以降に進んでください。時間があるときに、そして興味が持てるときにこのセクションの残りの記事を読んでください。

また、マルチアンプシステムの構築をすぐに始めたい人は、[何が必要ですか?] セクションか [構成例・予算例] セクションに進んでください。そこから読まないと [チャレンジ2ch 3-way] セクション以降の記事がわかりにくく、小庵サイトの目的を誤解してしまうかもしれません。

時間があって、基礎から始めようと思っている人は [ホンの基礎知識] セクションから始めてください。

オーディオとの出会いはどうでしたか? 
はじめに読んでください - オーディオの現在と未来 

あなたのオーディオの歴史はどれほどですか。

趣味は、それを始めた契機があります。あなたはオーディオの何に出会ってしまったのでしょう。ぼくとGは真空管アンプに興味を持ったことがそのスタートでした。音楽への興味よりもアンプへの興味が先だったのです。今でもオークションサイトなどで真空管アンプを見るとつい隅々まで案内文を読んでしまいます。出会ったものへの愛着が今でも消えません。今はデジタル全盛の時代になりましたが、小庵はオーディオとの出会いの記念にKT88シングルアンプを1台だけ残しています。Gがときどき電源を入れてぼんやりしています。しかし、小庵のことは重要ではありません。

あなたは、わが国のオーディオ黄金時代を見ましたか。そうであれば、おそらくアナログオーディオに愛着がありますよね。LPレコードを楽しんだのであれば、レコード盤に針を下ろすときのあの不思議な静寂を覚えているでしょう。真空管アンプを修理するときはハンダ作業で出る危険な鉛ガスをものともしなかったはずです。そして、それらの経験は確固としてあなたの脳裏に残っているはずです。

小庵は、あなたが出会い、あなたが大切にしてきたものに敬意を表します。小庵は、あなたが過去の大切な思い出の中にオーディオの世界を作ったことを尊重します。あなたがオーディオを語るとき、あなたの大切な経験に小庵が口を差し挟むことはありません。たとえあなたに技術上の誤認があったとしても、小庵にとってあなたの心の中は不可侵です。

それでもオーディオの現在についてはありのままに語るしかありませんね。それは理解してください。

瀕死の重厚長大オーディオ 
はじめに読んでください - オーディオの現在と未来 
   

重厚長大オーディオは死にかけているとぼくは感じています。オーディオ黄金時代を楽しんだ人々にとってのオーディオと現在のそれとはもう同じではありません。現代の若者たちは過去のどの時代よりも音楽に親しんでいるように見えますが、高齢者が話題にするオーディオ、つまり古ぼけた大げさなオーディオには彼らは何の関心もないようです。

 
Gのコメント
「瀕死」とか「重厚長大」とか、古い言葉だねsoopoo。
どうしてそんな古くさい表現をするんだ?
せっかく若者にも読んでもらおうと思っているんだからもう少し考えてくれよ。

 
soopooのコメント
えっ、まずいですか?
Gが教えてくれたんですよ。
でも気をつけてがんばります。

オーディオは、今ではPCの横やリビングの棚の上に移って片手で動かせるようになり、引越しのたびに捨てても痛くない価格になり、そしてAACMP3の音質にとくに疑問を感じない人々のささやかな趣味になってしまいました。若者たちにとっては、PCスピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンにこだわることが今ではオーディオです。38cmウーファーの音を聞いたことはなくても、コンサートやライブへ行けば圧倒的な生の音に触れることができるので不満はないのでしょう。

近年、素材技術や加工技術が大きく発展したことで、過去には考えられなかった形状や仕組みのスピーカーが登場しています。また、AI技術やロボット技術、音声認識技術などとオーディオとの融合が進み、たとえば「無伴奏パルティータを頼むよ」と小型ロボット(スマートスピーカー)に話しかければ、ロボットがその音源データをインターネットからダウンロードして自動再生してくれます。そのさいロボットは気の効いた返答ができます。ロボットはまだ大型オーディオシステムをコントロールすることはできませんが、技術上の困難はないので、いずれは誰かがそれを実現するでしょう。AIは今では作曲もできます。これらを可能にしているのがデジタル技術の発展です。

すると、小庵で古めかしいマルチアンプシステムについて書くことにどんな意味がありますか?
PCスピーカーやスマートスピーカーじゃマルチは無理ですよね。
う〜ん、でもそれについてはまたあとで考えてみましょう。

      オーディオ戦士の死

1970年ころからおよそ20年間ほど、わが国はオーディオ黄金時代でした。それを強力に支えたのがいわゆる団塊世代です。敗戦後数年間のベビーブームに生まれた世代です。2020年で70歳から75歳ですね。この年代のオーディオマニアを小庵はオーディオ戦士と呼んでいます。

当時は趣味が現在ほど多様でなかったこともありますが、戦士達のオーディオへの強い傾倒は出版界や機器メーカーを動かし、国内文化の一つの潮流を形成するほどでした。暮らしの豊かな時代ではありませんでしたが、彼らは積極的に身銭を切って各社の製品を購入し、それらの感想をコミュニティーで発信し、多くの技術上のチャレンジも行って、戦士の熱と力を大いに発揮しました。アナログ真空管アンプの自作ブームが起きたのもこのころです。子供向け科学雑誌にも真空管アンプの自作記事が載るほどでした。その後は戦士達にとって不幸な時代もありましたが、わが国のオーディオ文化が2020年にもなんとか続いているのは彼らの功績だと小庵は考えています。

でも、長い物語もまもなく終わります。戦士はリタイヤしつつあり、しばらくすれば姿を消します。

      アナログオーディオの死

CD技術をはじめとするデジタル技術の登場と発展でアナログオーディオは大きな打撃を受けましたが、小さな世界でそれはまだ生きながらえています。アナログオーディオの主流は今でも重厚長大志向で、一部のマニアの部屋には砲金製のたいそうなLPレコードプレーヤーが鎮座し、300B845などの大型真空管を載せたアンプが重厚に輝き、AltecJBLの大型スピーカーが口を開いています。フロアには びっくりする太さのケーブルが這っています。1辺が数メートルもある低音用ホーンスピーカーを壁や天井に開口させているマニアもいます。いったいいくらかかったのでしょう。

しかし、前に書いたように、オーディオマニアの多くは後期高齢者またはその予備軍で、遅かれ早かれ彼らが亡くなってしまえば、いまいましく邪魔だったそれらの機器を家族が片付けてしまうでしょう。マニアの多くは音楽やオーディオの感動を自分だけのものにしていたので、家族にとってそれはただうるさくて場所をとり、お金がかかるものでしかなかったのです。

そんなふうに処分されたアナログオーディオ機器が、とくに近年、中古市場に多く出回っています。機器の中には、その所有者の失われた歴史を彷彿させるものが少なくありません。小庵のGは時折それらの中から気になった機器を買ってきます。言うことはいつも同じです。「前の持ち主のじいさんから預かってくれと頼まれた。会ったことないけど」

 
Gのコメント
何? 不満なのかsoopoo? 持ち帰らずにいられないのだよ。
年季の入った陳列品を見ていると、持ち主だった人の声が聞こえてくるときがあるのだ。
「すまないがG、このオンケン型スピーカーは大切な思い出があって、廃棄して燃やしてしまうのは残念に思う」
「時間とお金をかけて、心をこめて守ってきたが、先に行くことになってしまった」
「Gに預けるから、君のところを最後の停泊地にしてやってくれ」
というわけだ。選択肢はないね。金の問題ではない。ま、犬には分からんさ。

かつてオーディオ評論家・長岡鉄男氏は「最高のデジタルは最高のアナログに勝てない」と主張しました。小庵もそれに同意しますが、今ではそれを実証することが不可能になってしまいました。

LPレコードとプレーヤーが売れているらしい?

   

近年、LPレコードの売り上げが増えているそうです。米国では2019年にLPレコードとCDの売り上げ数が逆転したとか。LPレコードが復活するのでしょうか。でも、CDが登場して爆発的に普及したころ「やがてCDがLPレコードを駆逐する」と言われていたのです。以下にレコードによるオーディオ再生にどんな問題があるか技術上の観点からまとめてみました。

小ブームで終わってしまうのではないかとぼくは思います。若者たちの多くは楽曲配信サービスを利用してその便利さや音質に満足しており、アナログを知らないどころかCDも知りません。そもそも現代のLPレコードの多くはデジタル音源から作製されています。もっとも、それらのすべての事実を飲み込んだうえで「LPレコードがいい」という選択はあります。趣味の世界の価値判断に科学技術が介入することはできません。

 
Gのコメント
私もそうなんだが、レコードを通してオーディオ人生が始まった人には忘れられないものだ。LPレコードに針を落とす時に感じた緊張と期待は、今どきのCDやDVDでは得られないものだった。時間密度が変換される瞬間だった。なかなか言葉で伝えられるものじゃない。弱点についてはその通りだと思う。

存在感があったね。手に持てば今でも昔の記憶がよみがえる。レコードを包むジャケットには芸術的と言えるレベルのものもあった。今どきの音楽家が自分の作品を世界に発表するためには、魅力的なメディアの一つと言えるような気もする。

真空管アンプが売れているけれど?

   

小庵にもKT88シングルのアナログ真空管アンプが残っています。「昔がなつかしい」とか偶数次高調波がどうとか言ってGが時々聴いています。「しかし、今となっては中級の馬だね。走れるのもいるが赤兎馬ではないし駿馬とも言えない。存在感はあるから部屋の飾りにいい」とも言っています。真空管アンプは国内外のメーカーが今でも少量生産を続けていて、電子モール(ネットショップ)には主に中国製のアンプが売り出されています。真空管アンプの問題点は以下の通りです。

 
Gのコメント
これからオーディオを始めようという若者は「音楽を聴くためには」それを買うべきではない。オーディオ古生代の老人が次々に往生して彼らの玩具がオークション市場に大量に出ているが、それらはマルチアンプシステムに使ってはいけない。

私も古生代の生き残りだから真空管への愛着は人一倍だ。だが若者にはすすめられない。後悔して古式オーディオへの反感を持つことになるだろう。高電圧がかかり電力消費量の大きい電気製品はすみやかに劣化するのだ。抵抗部品は変色しているはずだし、コンデンサーは容量抜けしているだろう。それらを交換すればもうオリジナルの音ではない。すると、性能の保証されないものに大金を使う理由をどこで見つける?

やはりリスニングルームから消えていくのは時間の問題でしょう。近年、オークションなどの中古市場に性能の不確かな真空管アンプが出回っていますが、どうも同じものが転売され続けているようです。最後に誰かが貧乏くじを引くでしょう。

半導体アンプの大部分は今でもアナログだけど?

確かにそうですね。小庵は5.1ch音源を14台のパワーアンプ(ユニット数)で聴いていますが、そのうちデジタルアンプは2台だけです。デジタルアンプは高額製品の場合を除き性能について不安が残るからです。それでも状況は徐々に変わるでしょう。デジタルアンプは電力効率が非常に高く、発熱が少なく、環境からの雑音や振動の影響を受けにくく、全体サイズを小さくでき、高価な部品を使う必要がなく低価格でも高性能を実現できるという特徴があります。デジタル信号をそのまま処理できるのも大きな利点で、たとえばCDからのデジタル音源を一度もアナログ変換せずにピュアな音で聴くことができます。

それなのにデジタルアンプが今一つ普及しないのは、大手メーカーの「高く売れないから儲からない。だから作らない」という販売姿勢があるからでしょう。これまで「高価格だから高性能」と言い続けて利益を得てきているのに、その戦略が通用しなくなることをメーカーは恐れているのかもしれません。ただし、オーディオ分野を除く多くの電気製品分野ではすでにデジタルアンプが広く普及しています。

スピーカーはどうなる?

オーディオシステムをデジタル技術で構築する場合の最後の難関はスピーカーシステムです。2020年でのことですが、市販されているほぼすべてのオーディオシステムはイヤフォンやヘッドフォンを含めてアナログスピーカーを使って音を出しています。アナログスピーカーは100年ほどの歴史があり、ほぼ完成された技術を持っているため、また、これをすぐにデジタル方式に変更しなければならない積極的な理由がなく、加えてそのための技術も現状では十分でないため、当面はアナログ方式のまま音響技術の世界で広く使い続けられるものと思います。ただし、2019年にはデジタル方式の小型スピーカーが実際に登場しています。

というわけで、スピーカーシステムを除けばアナログオーディオの時代はほぼ終わったとぼくは考えています。一部のマニアは引き続きどんな困難も乗り越えてLPレコードや真空管アンプ等を守っていくでしょうが、そしてそこには奥深いものがあるのかもしれませんが、その担い手とツールが確実に滅びつつあるのです。

      オーディオ遺産の死

重厚長大オーディオの時代には名機と呼ばれる多くのアンプやスピーカー等が誕生しました。普及価格帯の製品にも優れたものが多く、それらの中には2020年の今でも中古市場で注目されているものがあります。近年、いわゆる「ハイレゾ」がオーディオ製品のキーワードになりましたが、そんな言葉が登場するずっと以前から、たとえばスピーカーはすでにハイレゾ対応でした。半世紀も前の話です。

オーディオ黄金時代に登場した名機の数々は、その後メンテナンスが続けられて今でもオーディオファンやマニアの部屋で活躍しているはずです。中でもスピーカーシステムの活躍が目立ちますね。コストと手間が惜しみなく注がれたそれらは、実際、本当によい音がします。近年の小型システムでは体験できない、雄大で圧倒的な音です。

でも、それらの遺産も、まもなくメンテナンスのできない状態になるでしょう。中古市場に出てくるそれらの名機は年々品質が低下しています。そして、次代を担う新しい製品を模索するメーカーが登場していません。国内メーカーは今ではオーディオ製品の開発・販売に興味を示さなくなっています。

困りましたね? 今のところ、マルチアンプシステムはそれらのオーディオ遺産に依存する部分があるのです。小庵でも今回のチャレンジにあたって、とくにスピーカーシステムについて過去の遺産の大きさを痛感し、積極的に中古のエンクロージャやスピーカーユニットを使いました。安いからではなく、そこにオーディオ黄金時代の技術エッセンスが残るからです。

マルチアンプシステムは生き残れる? 
はじめに読んでください - オーディオの現在と未来 

マルチアンプシステムは重厚長大オーディオの分類に入ります。1台のアンプでは実現できず、小型スピーカーでは魅力が半減します。予算も必要です。すると、やはりマルチアンプシステムにも未来はないのでしょうか。若者の多くは携帯音楽プレーヤーでのデジタル配信サービスに満足しています。それに、近年のイヤフォンやヘッドフォンは高性能化が進み、音質だけで比較すれば本格的な重厚長大システムにも負けていません。

 
Gのコメント
先にも書いたが、2020年の老人たちが自慢しているオーディオシステムは若者にとってはすでに古式オーディオと呼べる状況だ。場所を取り金がかかることが多く、移動できず、歩きながら楽しめない。家族の理解を得ることもなかなかだ。

私の50年の経験では、愛すべきオーディオ老人も、その多くは内気でコミュニケーション技術が不足するようだ。「趣味のことだ。自分のことは放っておいてほしい」という態度で大金を使い、家族に説明もせず背中を向けているから、家族はオーディオそのものに敵意を感じていることが多い。だから彼の葬式のあと、せっかくのマルチアンプシステムはすぐに処分される。

文句は言えないね。マルチアンプシステムは機材が多く、説明を受けていない家族は取り扱いに困ってしまう。何に使うか分からないスイッチが多くラックの裏側は複雑怪奇な配線だ。再利用は難しいと判断されても仕方がない。棺桶の中の人が家族に敬愛されていたならしばらくはそのまま置いてもらえるが、まあ多くはすぐに古道具屋が呼ばれることになる。

それに、オーディオを取り巻く大状況として、今のところ人類は富の分配に失敗しているから平均的な世界市民は今後徐々に貧しくなるだろう。すると、本格的なオーディオ環境を自宅に持つことはいよいよ難しくなるね。

そんな状況で、若い世代にマルチアンプシステムの魅力をどう伝えればよいのでしょう。

      音楽の感動を最大化できる!

マルチアンプシステムの最大の魅力はこれです。これを強調すれば若者が振り向いてくれる可能性があります。AACMP3に慣らされた人の耳にはマルチアンプシステムの音は別世界のはずです。マルチアンプシステムはLCネットワークを通過しないピュアな音を、しかもアンプやスピーカーユニットごとに自由にコントロールできます。満足のいく再生システムをどこまでも追求できるということです。

小庵のGは読書やプログラミングをしているときは非マルチアンプシステムでBGMを流していますが、特定の曲を真剣に聴きたいときは必ずマルチアンプシステムの電源を入れます。「バッハであれオスカーピーターソンであれ、楽曲の作者や演奏者が意図したものを漏らさず全身で受け取りたいならこれだ」と言います。そのときGは背筋を伸ばして銅像になります。

      コンサートホールやライブスタジアムを超える音が楽しめる!
   

オーディオ関係者の多くが「音楽は生演奏が最高」と言いますが、ホールの特別席(S席)でも場所によっては実際にはそれほどでもありませんよね。後方で聞く音はとても貧弱なときがあります。あなたは観客席での音ではなく、指揮者や演奏者が舞台上で聞いている音を聴きたいと思ったことはありませんか。たとえばチェロ奏者は背後から来る地響きのようなコントラバスの音を聴いています。それは携帯音楽プレーヤーやデスクトップスピーカーでは再現できません。それを実現するにはマルチアンプシステムが最適です。

      低音を全身で感じることができる!

多くの人は「オーディオの楽しみは豊かな低音を聞く楽しみだ」と考えています。近年のイヤフォンやヘッドフォンは驚くほど豊かな低音を再生します。それでも、それは耳から入る音に過ぎません。低音は体でも感じたいと思いませんか。ライブ会場の感動は、ウーファーシステムからの圧倒的な低音の放射を体が受け取ることで生まれるのではないでしょうか。NHKホールのパイプオルガンはなんと16Hzの音を出せるそうですが、それがどんなものかを体感してみるにはマルチアンプシステムが最適です。

      デジタル技術のおかげでポケットマネーでもチャレンジできる!

これまでオーディオファンがマルチアンプシステムにチャレンジしなかった理由の一つに「お金がかかる」というものがありました。実際、関連するかつてのアナログ機器は高価なものが多く、平均的給与者にとってその購入は大きな覚悟を必要とするものだったのです。Gも長い間「金持ちの道楽さ」と言っていました。でも、今では事情が変わりました。デジタル技術の登場で関連機器が劇的に安価になってきたのです。安いからといって性能が劣るということはありません。

      世界唯一のスピーカーシステムを持てる!

マルチアンプシステムの楽しみの一つはスピーカーシステムを自作することです。自作といってもスピーカーユニットまで作ることはほとんどありませんが、市販ユニットをどう組み合わせるか、エンクロージャをどう用意するか、それらをどこにどう設置するかなど、楽しみは尽きません。完成したスピーカーシステムはあなたの独自のもので、オーディオや音楽へのあなたの愛が結実したものということができます。友人や家族に紹介するときのひそかな誇りを楽しんでください。

      みんなで音楽を楽しめる!
   
- みんなで楽しもう -

音楽やオーディオはマルチアンプシステムでなくても楽しめますが、もしマルチアンプシステムをうまくセットアップできたなら、あなたの満足と感動はあなたの家族や友人にも伝わって「さあミニ音楽会をやろう」というあなたの提案が受け入れてもらえるようになるでしょう。感動は別の感動を呼ぶものです。音楽談義も大いに楽しんでください。みんなが音源ディスクなどを持ち寄るようになれば、あなたとあなたの家族はそのサロンの主人です。そうなったらみんなに言ってください。「これがマルチなんだ」と。

デジタル時代のオーディオ 
はじめに読んでください - オーディオの現在と未来 

デジタル技術そのものは非常に古くからあり、たとえば「そろばん」はデジタル計算器です。デジタル技術では物理量や論理量を整数値で表現します。たとえば音量を数値で表現します。デジタル処理とは数値を操作することを意味し、オーディオ関連処理でも同様です。現代のコンピュータの大部分はその内部でデジタル処理を行っています。あまり意識されていないかもしれませんが、ぼくたちのこの時代は、産業技術のほとんどあらゆる分野でデジタル技術が活用されており、ぼくたちの衣食住にも大きな影響を与えています。

      デジタル音源の登場

オーディオ分野へのデジタル技術の進出はCDの開発・販売からでしょうか。1980年ころのことです。引き続き1990年ころにはDATDVDが、1999年にSACDが、2003年ころにBlu-rayディスクが音源メディアとしてそれぞれ登場しています。そこに収容されているのはデジタルデータなので、再生のためにはオーディオシステムのどこかの段階でアナログデータに変換する必要があります。変換するためのハードウェアまたはソフトウェアがDACと呼ばれるものです。

      デジタルアンプについて

デジタル技術を使ったオーディオアンプ(プリアンプやパワーアンプ等)製品は1980年ころからありましたが、注目を集めるようになったのは2000年ころからで、「フルデジタル」をうたう製品も登場しました。これは、CD等のデジタル出力からスピーカー出力の直前までのすべてのステップをデジタル信号のままオーディオ処理するもので、アナログ変換やデジタル変換による音質の低下を防ぐことができるという特徴を持っています。でも、2020年の時点ではオーディオアンプの完全デジタル化は進んでいません。アンプメーカーがそれに熱心でないからだと思います。

一方でAVアンプは一足先にデジタル化が進み、それによるビデオ性能やオーディオ性能の飛躍的な向上を果たしています。AVアンプにDSPが搭載されているおかげで世界の音楽ホールの音を仮想的に再現できるだけでなく、スピーカーシステムの位相タイムアラインメントなども自動調整できるようになっています。小庵のGは「普及価格帯の製品についてはオーディオアンプはAVアンプに吸収されるだろう」と言っています。一部のAVアンプはマルチアンプシステムのマスターボリュームつきパワーアンプとしても使うことができます。あとで説明しますが、これはデジタルチャンネルデバイダを使うマルチアンプシステムにとって願ってもないことなのです。

      楽曲配信サービスの登場

また、2000年あたりからインターネットを利用したラジオ局や音源ファイル配布サービス、ストリーミングサービスなどが次々に誕生してデジタル音源をPCやスマートフォンなどの携帯音楽プレーヤーで鑑賞できるようになっています。若者たちの多くが道を歩きながらそれらを楽しんでいます。それらの音源データはDACを経由すれば既存のアナログオーディオシステムでも再生できるので、実際にそうしているオーディオファンも多いことでしょう。近年はいわゆるハイレゾ音源も鑑賞できるようになり、それらのサービスが開始された当初の「AACMP3じゃ音がどうも」という批判も当たらなくなっています。

      オーディオの新しい波

不思議に思いませんか? 数千キロメートルも離れた場所にある音源を手元で再生しているのに音の劣化がないのです。アナログシステムでは考えられないことです。アナログではケーブルを延ばせば延ばすほどノイズが入り特性も悪くなります。

以上のように、世界的なデジタル革命の大波の中でオーディオも将来への展望を考える時が来ています。オーディオファンにとって、それは、具体的には「思い切ってデジタル技術から生まれた製品やサービスの活用を検討してみる」ということではないかとぼくは思います。あなたが古くからのオーディオファンならアナログシステムには大きな愛着があると思いますが、それを子供たちに伝えていくためにもデジタル技術との賢明な融合の道を模索してはどうでしょうか。そうすれば、将来への展望のなくなった重厚長大マルチアンプシステムも新しい存在意義を見出せる可能性があります。小庵もこの10数年は模索の連続でした。Gはもともと「アナログ2chステレオ以外に真のオーディオはない」と言っていたのです。

   
- 小庵の実験システム -

現在、小庵のマルチアンプシステムはデジタルデバイダやデジタルイコライザーを使っており、AVアンプやPCからの楽曲再生にも対応させています。楽曲データをPCで管理するとオーディオの楽しみが飛躍的に増えます。デジタル技術やコンピュータネットワーク技術のおかげで、あなたのオーディオルームにある楽曲ライブラリを応接間の来客や2階の家族もハイレゾのままで楽しむことができます。あなたもチャレンジしませんか?

未来のオーディオ 
はじめに読んでください - オーディオの現在と未来 

未来のオーディオはどうなるのでしょう。でも、それを語るためには一つの大きな前提がありますね。この世界が当分のあいだ破滅しないという確信が持てなければこのテーマを考えることに意味があるとは思えません。

 
Gのコメント
おおsoopoo、現実主義者になったのかい?
ラブラドールレトリバー犬には無理だと思うから私が代弁しよう。

前ページでも書いたが、我々が生きているこの世界には過去から先送りされてきた未解決の重要課題が多くあって、それらが引き続き未解決のままなら、おそらく我々や我々の子供たちがまもなく生存そのものの質に関わる大きな困難に直面すると、多くの科学者や指導的文化人が警告している。たとえば「原子力科学者会報」は「終末時計の残り時間が100秒になった」と2020年に発表している。「オーディオどころでない!!」というのが世界の実情だと考えたほうがよい。老人は最後の仕事をする必要がある。

  • 富が極端に偏在するようになった問題を解決する必要がある。金持ちがさらに金持ちになった分だけ貧乏人がさらに貧乏になるという無慈悲な時代だ。額に汗して真面目に働いている者が正当な報酬を受け取っていないように見える。一握りの者が世界の富の大半を独占しているという現在の状況を何とかしなければ、いずれ持てる者と持たざる者との闘争が始まるだろう。「新しい戦争」が始まるということだ。漫画の世界が現実になる。予備戦争がすでに始まっているという主張もある。
  • 地域紛争や移民の問題、テロの問題について解決の糸口を見つける必要がある。さもなければ、あなたが居間で家族団らんを楽しんでいるところへ爆弾が投下される時代がくるかもしれない。中東はすでにそのような状況だ。
  • 気候変動による異変が誰の目にも明らかになっている。世界の指導者はいったいどうするつもりなのか。
  • 不用意な自然開発等で未知の細菌やウイルスが解き放たれてパンデミック(危険な疾病の世界的大流行)を引き起こすおそれがある。(2020年に現実のものに)
  • 宇宙の平和利用を本気で考える必要がある。さもなければ我々は宇宙から突然攻撃されるおそれがある。逃げる場所がない。宇宙利用が不十分だったころ世界のリーダーたちは「宇宙を平和のユートピアに」などと言っていたが、今では我先に軍事利用している。そしていつものように言っている。「攻められたらどうするのか」
  • 世界大戦の危険は依然として消えていない。愚かな指導者のために地球文明そのものが破壊される恐れがある。
  • 科学技術の進歩に比べ、それを使う人間の倫理性や道徳性が一向に進まない。馬鹿者が先端技術を使う恐れがある。ホーキング先生は晩年「やがてAIが人類を滅ぼす」と言っていた。もう待ったなしだ。歴史の臨界点が近いのではないか。
  • ほかにもどっさりだ。みんなで目をそむけているとしか思えないね。

 
soopooのコメント
暗い話ばかりですね。ぼくにはどうすることもできないテーマばかりです。
なんとかならないのでしょうか。

 
Gのコメント
人類の英知を結集しなければ解決不可能な問題ばかりだ。子供たちの時代が本当に心配だ。しかし、わが国で言えば政府も国民もそれらに無関心に見える。驚くのは、それに警鐘を鳴らす者が中傷され罵倒されることだ。時代が馬鹿者に拡声器を与えてしまったため心ある人々が沈黙させられている。極めて残念な事態だ。国が没落するときはそんなものかもしれないが。

衣食住が足り、緊張や不安の少ない時代でなければオーディオなど楽しめるものではない。生存さえ危ういというのにマルチアンプシステムに何の価値があるのか。世界の指導者は、自分の功績について未来から賞賛を得たければ今すぐ態度を変える必要があるだろう。さもなければ「人類の危機において最も無能だった者たち」として記憶されることになる。

私の率直な感想だ。悲観しているのとは異なる。希望を発見するためには現実を見なければならないということだ。未来は現実の上に築かれるからだ。人智を超えるものが突然現れることはない。

教育が重要なのだと思う。思索できる子供たちを育てる必要がある。地を這う三匹の猿を育てることが教育の目的ではない。社会はそのために予算を投じる必要がある。長い時間がかかるが、それ以外に建設の道はない。そこから外れるなら破壊あるのみだ。

大人の分別を信じたいところだね。何も声を挙げないなら小庵の意義もないように思える。
次へ進もうか、soopoo。

      近未来のオーディオ

ぼくは21世紀後半も22世紀も見ることはできませんが、きっとその時代にはGが心配したことが解決に向かうと思います。そう考えないと子供たちに話すことが何もありません。ぼくは人類の英知を信じます。

さて、近い将来のオーディオはどうなるのでしょう。

2020年の現在、オーディオの世界の牽引役はトップランナーが交代し、製品は軽薄短小がトレンドになっています。先頭を行くのは10代から20代の若者で、軽薄短小製品の性能を支えているのがデジタル技術です。現代の若者たちは過去のどの時代よりも音楽好きで、高性能ながら安価なイヤフォンやヘッドフォンでJ-POPなどを聴いています。電車の中でも、歩きながらでも、どこでも音楽を楽しんでいます。彼らが手にしているのはスマートフォンです。多くはインターネットと常時接続してリアルタイムの楽曲配信サービスを利用していますが、お気に入りの楽曲をスマートフォンに保存している人もいます。搭載メモリ次第ですが、スマートフォンは数千曲の楽曲データを保存でき、再生アプリでそれらを手軽に再生できます。オーディオ黄金自体の基準からすればその音質は十分ではありませんが、若者の多くはとくに不満を感じていないようです。騒音の多いところではそれで十分なのでしょう。

この傾向、つまり旧来のオーディオ技術がデジタル技術やネットワーク技術など、人類が手にした新しいツールと融合を続けるという状況は、今後いよいよ加速するのではないかと思います。ナノテクノロジーをベースにした材料科学技術、ロボット技術などとも融合するでしょうし、それらを統合・管理するものとしてAIが次に待ち構えています。でも、AIとオーディオとの関係は具体的にどうなるのでしょう。

AIはすでにぼくたちの生活レベルでオーディオとの融合を始めています。家電がインターネットに接続されるようになったことがオーディオとAIとの出会いを生みました。あなたは「スマートスピーカー」と呼ばれる製品カテゴリーを聞いたことはありませんか。これは音声合成装置を持つ対話型ロボットで、ヒューマノイドではなく自分で移動することはできませんが、居間やデスクトップなどで人間の呼びかけに反応してさまざまな仕事をしてくれるものです。

   
- スマートスピーカー -

AI対応スマートスピーカーはすでに家電を操作することができます。楽曲再生のリクエストに応えることもできますし、明日の天気だって教えてくれます。それどころか孤独なあなたの話し相手になることもできます。あなたが何かを言えばそれに彼または彼女が反応してくれるはずです。当面はスムーズな対話は難しいでしょうが、それでもあなたはAIの言葉に癒しを感じるかもしれません。楽曲の再生については貧弱な内蔵スピーカーを利用するのでお世辞にも「いい音だね」とは言えませんが。

需要があるならスマートスピーカーからオーディオシステムを操作することが可能になるはずです。するとどうなりますか。あなたはソファに座って「あのさ、ブランデンブルグ協奏曲を頼むよ」と呼びかければよいことになります。ただ、あなたのスマートスピーカーに「あのさ」という名前をつける必要があるかもしれません。

もう少し先の時代にはオーディオはどうなりますか。

人類の最高の芸術遺産である音楽をぼくたちの子孫が手放すとは思えませんよね。ストレスの多い時代にも音楽の価値は引き続き重視されるでしょう。すると、それをどう楽しむかについて人々は関心を持ち続けることになります。オーディオ機器は形を変え、さまざまな試行錯誤が繰り返されるでしょうが、オーディオは滅びることはないでしょう。やがては人間とロボットとの融合が始まると言われていますが、そうなっても聴覚パーツの基幹機能の一つとしてオーディオ技術のエッセンスがそこに埋め込まれると思います。

      月や火星でオーディオ?

2010年代後半から「地球は住むに耐えなくなるから他の星へ移住しよう」と考える富豪や組織が現れ、「ひとまず月へ、2030年ころには火星へ」などと具体的なプロジェクトを開始しています。すでに彼らのロケットは宇宙ステーションと地上との往復を可能にしているので、時期はともかく民間人の宇宙旅行が現実のものになる日が来ることは確実です。あなたはお金持ちですか。

   

それはそうとして、現在のロケット技術では、たとえば地球から火星への旅行は片道で2年以上になるそうです。長い期間ですね。宇宙船の内部は閉鎖空間で、青い空も緑の大地もなく、そこから逃げ出そうにも死の世界しかありません。そんなところで乗客は精神の平衡を保っていられるでしょうか。

当然、多くの対策が試みられるでしょう。おそらくその一つとして、音楽鑑賞設備を持つ小部屋が宇宙船内に用意され、最新のヒット曲をデジタル音源で楽しめるようになるはずです。楽曲データは地球からTCP/IP通信で提供されるものが使用されます。個人スペースで音楽を楽しみたいなら2020年の技術がそのまま役立ちそうですね。地球には数千万曲の音楽遺産があるということなので、2年の旅行でも聴き尽くすことはないはずです。

でも、首尾よく月や火星に植民地を築けたとしても、「日曜日に近くの公園でライブを聴こう」といった音楽の楽しみ方はできませんね。思い出してください。音楽は空気のある場所にしか存在できないのです。ぼくたちがひとたび地球を離れれば、そこは貴金属よりも空気のほうが貴重な世界になる可能性があります。第一、空気のないところではぼくたちは生きることもできません。宇宙は人間にとって極めて危険な場所なのです。新鮮な空気の満ちた広い居住空間を維持するには莫大なコストがかかるでしょう。すると、重厚長大オーディオなんて無理ですよね。マルチアンプシステムを家族で楽しもうにも、それは極めて限られた人々にしか許されないことになります。

月や火星は重厚長大オーディオにとってひどい環境になります。そんなことならぼくたちは地球を守ることを考えたほうがよさそうです。地球は言語に絶して奇跡の星なんですね。音楽のオアシスです。

      地球は音楽のオアシス

1977年にNASAが打ち上げた宇宙探査機ボイジャー1号に「ゴールデンレコード」と呼ばれる16.6回転用のアナログレコードが載せられたことを知っていますか? ボイジャーはその後2004年には太陽系から出て、現在は恒星間空間を飛行中とのことですが、そのレコードには以下の楽曲が刻まれています。

「ビートルズはどこへ行った?」と思いませんか。ビートルズのかつての公演では世界中のギャルたちの歓声が宇宙まで届いたと言われているのに不思議ですよね。実は "Here Comes the Sun" という曲をゴールデンレコードのコーディネーターがそこへ収録しようとしたのですが、版権者の反対にあってしまったということです。

ゴールデンレコードは、もしボイジャーが地球外生命体に出会ったとき、その故郷の星、つまり地球の文明がどんなものなのかを相手に伝えるためのものです。出会いの最初の機会が来るのは数万年後ですが、もし数億年かかってその機会が訪れたとしても、ボイジャーがどれほどの長い旅をしてきたかを異星人が解析できるようにしてあるということです。気宇壮大なタイムカプセルですね。

 
Gのコメント
ゴールデンレコードにはそのほかに地球人が話す言語や符号化された写真画像が収録されたそうだ。
地球人の最高の愛と誠実がそこに刻まれていると思う。

異星人への贈り物に音楽曲が選ばれたことには大きな意味がある。音楽という存在は、おそらく惑星固有の文明を超えた普遍的な価値を持つと地球人が考えたことを異星人に示すことになるからだ。この判断は人類の英知の一つの到達点を示していると私は思う。

宇宙の尺度でものごとを考えれば、人類が存続している間にボイジャーが異星人に出会う確率は極めて低い。ゼロに近いと言ったほうが正確だろう。つまり、ボイジャーの旅が終わる前に人類は宇宙に別れを告げなければならないということだ。ボイジャーは人類の遺言を持って旅をしていることになる。そこに込められた愛惜の思いは深い。26曲は地球人の絶唱とも言える。「かつて地球と呼ぶ星があり文明が起こり人々は言語と音楽を生んだ」という歌だ。

普遍的な価値を持つ音楽の文化が太陽系第三惑星でも見事に花開いたという事実を、人類はゴールデンレコードで宇宙に伝えようとしたということですね。宇宙のどこかで地球の音楽を受け取った高等生命体は、そのときどんな気持ちになるのでしょう。そのとき彼らは彼らの音楽で応えるのでしょうか。「我々も音楽を生んだ。文明は邂逅した。地球人の記念碑を建てよう」という歌では?

ぼくとGは妄想にとらわれていますか? そうかもね。

改めて小庵の目的を 
はじめに読んでください - オーディオの現在と未来 
   
- S&G小庵 -

改めて小庵の目的を書いておきましょう。

S&G小庵は、奇跡の星の小さな片隅で音楽のすばらしさを歌います。そして、それをみんなで楽しめるマルチアンプシステムの一つの実例を、オーディオに興味を持ち始めて年数の浅い人にも分かるように、またポケットマネーを慎重に使わなければならない人にも参考になるように、具体的に構築します。

マルチアンプシステムには価値があります。
音楽の確かな感動を受け取ることができます。
感動を伝えることもできます。
さあ、みんなで音楽を楽しもう。

前のページ(いい音に近づくために) | 次のページ(編集者から) はじめに読んでください
Copyright(C) 2018-2024 S&G Hermitage.  All rights reserved.