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| チャレンジ2ch 3-way | |||
| 1. 迷ったら原点へ 2. 機器を配置しよう 3. 機器を接続しよう 4. SRC2496等セットアップ 5. DCX2496セットアップ 6. 最初の動作確認 7. 詳細セットアップ 8. 3-wayシステム完成 | |||
| <他のセクション> | |||
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| 迷ったら原点へ |
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このセクションからはマルチアンプ実践編になりますが、まず最初に「マルチアンプシステムを成功させるために本当に必要なこと」を先にまとめておきましょう。
必要な機器を準備して配置・接続し、チャンネルデバイダを操作できるようにするまでは比較的容易に作業は進行するでしょう。しかしそこからが問題です。あなたのスピーカーシステムに合わせてデバイダを正しくセットアップしなければなりません。近年のデジタルデバイダは高機能で安価なのでそれは歓迎できますが、設定メニューを開いた当初はそれは複雑怪奇な機械に見えるでしょう。具体的に何をどうセットアップすればよいのでしょうか。
そうなんです。どれほどマルチに投資しても正しいセットアップがなければあなたのマルチアンプシステムはきっと失敗します。あなたがマルチのセットアップに迷ったときは本ページに戻ってきてください。そしてマルチの原点を思い出しましょう。
| マルチは大金が必要? | チャレンジ2ch 3-way - 迷ったら原点へ | |
インターネットにはマルチアンプシステムに関連する多くの記事がありますが、そこでは有名メーカーの高価なアンプ群が使われ、またポケットマネーではとても買えないスピーカーシステムが並べられ、たとえばホーン型の高音用ツイータや中音用スコーカ等が使われています。中には低音用ホーンを天井や壁に開口させている豪華なシステムもあります。すごいですね。「いったい彼はいくら投資したんだろう」と思いませんか? 実際、マルチ先人の多くが「マルチは金がかかる」と言い続けてきました。
でも本当にそうなのでしょうか。マルチを成功させるために本当に必要なことは何でしょうか?
小庵のアドバイスはとてもシンプルです ―― 必要なことは高価なアンプやスピーカーを揃えることではなく、2-wayから3-wayや4-wayに向かうことでもなく、オーディオアクセサリーを追い求めることでもありません。
最高のマルチは正しいセットアップの先にあります。
安価なスピーカーやアンプでもマルチは十分に楽しめます。
マニアの巨艦システムに負けないマルチをポケットマネーで構築できます。
| 理想に近づけなかった日々 | チャレンジ2ch 3-way - 迷ったら原点へ | |
小庵Gはこれまで50年以上にわたってマルチアンプシステムにチャレンジする友人たちを見てきたそうです。そして大部分のチャレンジが失敗に終わったと言っています。
一般家庭で大型ユニットを組めば部屋の半分を占有して困ってしまうが、金持ちは何でもできるから20畳や30畳を超えるリスニングルームを特注していた。中には壁や天井の全面を低音用ホーンにしているマニアもいた。それで夏の雷の轟音や秋の虫の音を再生して子供のように喜んでいた。作家はそれを美文体でオーディオ雑誌に書いた。金を持たない諸君はそれに飛びついて空想をめぐらした。
しかし、見かけと爆音は大したものだが音はどうということはなかった。コンサートホールでのあの楽曲の感動がないのだ。演奏者があっちへ行ったりこっちへ行ったり向こうへ行ったりするから聴いている方は落ち着かない。スピーカーから出てくる音の位相や遅延に問題があるのに対応が不十分だったからだね。
古い友人たちが無能だったということではない。実際どう対応するか、なかなか大変だった。位相については、測定器を持っていれば上級者はなんとか対応できたが、困ったのは遅延だ。決定的な解決策がなかった。というのも、マルチにチャレンジするほどのマニアはホーン型スピーカーを持っていることが多く、たとえば中音用(スコーカー)の場合、音道の長さ(ホーンの長さ)が1m以上になるものがあって、それは連中の自慢の種なんだが、それをウーファーボックスの上にただ置いたのでは、スコーカーから出てリスナーに届く音がウーファーからのものより3ミリ秒ほど遅れてしまう。これが遅延問題だ。なぜ問題かといえばアナログデバイダでは遅延に対応できなかったからだ。
分割周波数近辺の音はスコーカーからもウーファーからも出るから、たとえばある楽器の音がウーファーから出てリスナーの耳に届いたあと3ミリ秒して同じ音がスコーカーからまた彼の耳に届くことになる。エコー音を聞くようなものだ。音の輪郭が甘くなる。打楽器の音だとそのシャープさが失われる。この理屈と対応方法は昔から分かっていて、要するに各スピーカーユニット振動版の位置を揃えればいいんだが、大型のホーンシステムではそれは難しかった。まあそれで遅延問題についてはみんな知らぬふりをしていた。つまりその当時、マルチは理想のシステムではなかった。
フルレンジスピーカー1発なら位相や遅延で悩まされることはない。16cm口径くらいでは迫力に欠けるが、そのかわりまとまったすばらしい音がする。マルチアンプシステムはそれと同じように鳴ることを目指すんだが、それは難しかった。しかし、知っての通り、デジタル機器が登場して事情は変わった。スピーカーから出る音のタイミングを自由に変えられるようになったのだ。スピーカーユニットの選択とその配置について制約がなくなったのだ。
なるほど。マルチアンプシステムを成功させるために大切なことは、各チャンネルのスピーカー構成が3-wayや4-way、5-wayのどれであっても「まるで1個のフルレンジスピーカーがそこで鳴っているようにセットアップすればよい」ということですね。そのために具体的に何をすればよいかということですね。
左右どれかのチャンネルを上のようにうまくセットアップできたなら他のチャンネルも同様にすればよい。最後に左右チャンネルの音量バランスを調整してマルチは完成だ。その後は微調整を楽しめばよい。
なるほど、セットアップをそのように実行するならチャンネルデバイダやパワーアンプ、スピーカーユニット等をどう選択しても相応の成功があるということですね。ハイエンド製品を使わなくても、とりあえず普及品や中古品でも、マルチアンプシステムのあの「明瞭で澄み渡る音響空間」を体験できるのですね。ポケットマネーでマルチにチャレンジできるのならそれはちょっとクールです。
| 作業目標を具体的に!! | チャレンジ2ch 3-way - 迷ったら原点へ | |
マルチアンプシステムを厳密にセットアップするためにはスピーカーから最終的に出てくる音を専用機器で測定して問題点を個別に修正するのがベストなのですが、それには機器を購入しそれらの使用に習熟する必要があります。しかし、それを説明するのは小庵サイトの目的ではありません。測定器を持たずそれを持っているかのように正しいセットアップを行おうというのが小庵の目標です。
最高の測定器を持ち最高の技術を持つプロフェッショナルは、機器の配置や接続が完了してマルチアンプシステムの動作テストの段階になると必ず以下の作業を(書いた通りの順序で)実行します。
- まず各スピーカーユニットからリスニングポイントに届く音の遅延対策を行います。
- その次に各ユニットから届く音の位相を揃えます。
- その後は各ユニットの音量を揃えます。
| 遅延への対応(タイムアラインメント) | チャレンジ2ch 3-way - 迷ったら原点へ | |
マルチアンプシステムのスピーカーシステムにおいて各スピーカーユニットからリスニングポジションに届く音のタイミングを揃える作業は「タイムアラインメント」と呼ばれます。「アラインメント」は「アライメント」と書いているサイトもあります。チャンネルデバイダにデジタルシステムを使う場合は各スピーカーユニットを自由に配置できますが、タイムアラインメントはスピーカーユニットの配置がほぼ決定してからにしましょう。
デジタルシステムの場合、適切なタイムアラインメントを行えば自動的に位相問題も解決することが多いので、マルチアンプシステムのセットアップにおいてこの作業はとても重要です。
設定の実際は [チャレンジ2ch 3-way] セクションから [5. DCX2496セットアップ] ページの "詳細-出力のセットアップ"-"遅延(ディレイ)の管理" を見てください。3-wayの場合のセットアップが書いてありますが、4-wayや5-wayでも同じ作業が必要です。
| 位相合わせ | チャレンジ2ch 3-way - 迷ったら原点へ | |
位相についてはタイムアラインメントが正しいなら位相は「合っている」か「合っていない=逆相になっている」かのどちらかになるでしょう。合わない場合、ユニットのプラス極とマイナス極を逆に接続したことが原因の可能性があります。接続を逆にするかデバイダの該当メニューで位相を反転(180度回転)させることになります。
位相が合っているかどうかを測定器なしで確認するには、分割周波数付近の音が多く含まれる音源を再生し、それらの音が不自然な音量変化にならないか、また楽器の定位が不自然に左右に移動しないかを確認してください。ウーファーとスコーカーの位相比較は分かりやすいでしょう。スコーカーとツィータについてはあまり気にする必要はないと言われています。
設定の実際は [チャレンジ2ch 3-way] セクションから「5. DCX2496セットアップ] ページの "詳細-出力のセットアップ"- "位相の管理" を見てください。
| 音量の調整 | チャレンジ2ch 3-way - 迷ったら原点へ | |
音量の調整については、(1)左チャンネルまたは右チャンネルにおいて各ユニット間の音量バランスを調整すること、(2)個別チャンネルの調整が完了したあと左右チャンネル間の音量バランスを調整することの2っの作業があります。
個別チャンネルの調整では、ウーファーやスコーカー、ツィータから出てくる音がそれぞれ大き過ぎず小さ過ぎず一体となって、フルレンジスピーカーから聞こえてくるようにすることが目標になります。PCがあれば周波数特性を測定して各帯域の音量レベルを確認できるので、重要な参考情報になります。左右チャンネルの調整では、モノラル音源の再生音が左右スピーカーシステムのちょうど真ん中から聞こえるようにすることが目標です。
設定の実際は [チャレンジ2ch 3-way] セクションから「6. 詳細セットアップ」ページを見てください。
| デジタル機器のハイエンド? | チャレンジ2ch 3-way - 迷ったら原点へ | |
オーディオ機器について頻繁に聞く言葉に「ハイエンド」があります。アンプやスピーカー、ケーブルなど多くの機器・機材についてこの接頭辞がつく製品が高額で売られ、それを好んで買い、それを称賛してやまない人々がいます。Gによればこれは1960年ころから一貫して変わらないオーディオ界の傾向だそうです。マルチアンプシステムでも同じ調子で「マルチはハイエンドで組もう」になっているとか。
アナログ製品については機器の性能差が再生音に影響することはあるから、愚かな話だとは言えない。
だがデジタルの世界もアナログと同じだと思い込んでいる少数と言えない人々がいてそれは困る。デジタル製品にも「ハイエンド」をつけたがる。PCやUSBケーブル、LANケーブル、ワイヤレスや有線のルータ、Bluetooth機器、ハブ(スイッチ)等が「ハイエンド」とか「オーディオ用」が付いて販売されているのを知らないかな?
「自分はオーディオ用のハイエンドPCを持っている」とか「このUSBケーブルはあっちのケーブルより音がいい」などと平気で言っている御仁がいる。遅延を少なくしたから音がよくなるなどとパンフレットに書いて「ハイエンド」のルータやハブを実際に販売しているカンパニーがある。オーディオ評論家の多くがそれに便乗して提灯記事を書いている。オーディオ老人がそれに飛びついている。
オーディオ界はハルマゲドンが近いのかもしれない。
デジタル機器にはハイエンドもローエンドもない。よりましな正常やちょっと悪い正常などというものはない。正常に動作するものと動作しないものとの2種類しかない。1万円で正常に動作する機器を外観等を工夫して100万円で製作することは自由だが、そこで実現される機能は1万円のものと全く同じだ。目的の機能が実現できるなら内部部品は何を使ってもかまわない。デジタル機器で使う抵抗器やコンデンサーは再生音に影響しない。
また「遅延があるから音が悪くなる」と店頭や雑誌で言われればアナログの世界で育ったオーディオ老人は「なるほど」と思うかもしれないが、実際は遅延と音とは関係がない。楽曲再生のスタートと終了がその分遅れるだけだ。再生音が変わることはない。考えてもみよう。太平洋を渡る光ファイバーケーブルは200個以上の中継器でつながれていて、それぞれの中継器で必ず遅延が発生するから、向こうの大陸のストリーミングサービスが日本で再生されるまでにはかなりの遅延になる。ところでスマホで聞くあちらのロックやレゲエは破綻しているかな? 結論はだれでも確認できる。
そんなわけで、デジタル機器について「ハイエンド」を言うのは彼の頭脳レベルを広告することになる。デジタル機器は安価に製造できるので、オーディオメーカーには製造意欲が湧かない。原価が知れているものを高額で売っては企業姿勢を問われるからだ。デジタル機器に「ハイエンド」と銘打つのは詐欺に近いと信用あるメーカーは知っている。
要するにこういうことさ ―― デジタル機器を上手に使ってポケットマネーでマルチにチャレンジしよう。
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