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何が必要ですか? | |||
1. 工具・動作テスト用機器 2. 音源再生装置/入出力装置 3. 周波数帯分割装置 4. マスターボリューム 5. パワーアンプ 6. スピーカーシステム 7. 中古スピーカーの改造 8. 電源の準備 | |||
<他のセクション> | |||
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スピーカーシステム |
設置場所を決めておこう スピーカーユニットを用意しよう エンクロージャを用意しよう スピーカーケーブルについて 中古システムの改造がおすすめです |
市販のスピーカーシステムの中にはマルチアンプシステムに対応しているものがあります。あなたがそれを使うつもりならこのページは読み飛ばしてください。
このページは、スピーカーシステムの構成要素であるスピーカーユニットやエンクロージャの選択と準備について一般的な留意点を書いています。マルチアンプシステムを成功させるうえでもっとも重要なポイントです。あなたのオリジナルシステムを作る場合の参考にしてください。
スピーカー選びがこれからなら、本ページの次に「中古スピーカーの改造」ページも読んでください。コストをかけずに高性能システムを構築できるヒントが書いてあります。
なお、このページは3-wayマルチチャンネルシステムを構築する場合に合わせた内容になっていますが、2-wayや4-way以上の場合でも同様に考えることができます。小庵サイトは [チャレンジ5chマルチ] セクションで5.1マルチチャンネル音源をマルチアンプシステムで再生するチャレンジも行う予定ですが、その場合でもスピーカーシステムの準備については本ページの内容を参考にしてください。
設置場所を決めておこう | 何が必要ですか? - スピーカーシステム | |
スピーカーユニットやエンクロージャの候補が決まっているなら、あなたの部屋のどこにそれらを設置するか決めておきましょう。リスニングルームにはスピーカーシステムのほかに入出力装置やチャンネルデバイダー、パワーアンプなども置くことになるので、その配置も考える必要があります。十分なスペースはありますか。マルチアンプシステムは比較的に広い設置スペースを必要とするので、住宅事情によっては難しい判断を迫られる場合があります。空間を立体的に利用する工夫をしてください。家族の理解と協力も必要です。
小庵は、マルチアンプシステムは6畳(約11m2)以上のスペースに設置することをすすめています。6畳の場合、その長辺側にスピーカーシステムを置けるか検討してください。ユニットやエンクロージャをこれから決める場合、設置予定のスペースにエンクロージャ2台を横並びで置けるか確認しておきましょう。あとで後悔したくありませんよね。
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マルチアンプシステムは全体として大型になりやすいので、一度置いたものをあとで再配置というのは大きな負担になることがあります。小庵のGは室内レイアウトを変更するたびに「もうまっぴらごめんだ。これで人生最後にしようsoopoo」と言い続けています。小庵のウーファー用エンクロージャは60kgもあるんです。老人に持てるのかって?
スピーカーユニットを用意しよう | 何が必要ですか? - スピーカーシステム | |
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小庵のGはいつも言っています。
ただ、小遣いで買えるチープなものでもセットアップひとつでマルチ天国を楽しめる一方、そこを軽視すれば貯金を全部つぎ込んでもNG確実だとは言っておこう。
それはそうとして。
マルチアンプシステムの楽しみの一つはウーファーやスコーカー、トゥイーターなどのスピーカーユニットを個別に入手し、その組み合わせによる音や音場の変化を楽しめることです。しかし、そのためにはあなたがオーディオに関してある程度の知識を持っている必要があります。多くの試行錯誤も必要になります。
ここで混乱してセットアップをあきらめる人もいるようですね。このため、以下の記事を読んであなたが「自信がない」と思ったのであれば、ぼくは後記の「中古システムの改造がおすすめです」を参考にすることをすすめます。
ユニットの種類、タイプ | |||
3-wayシステムでは以下の3種類のユニットが必要です(右図)。
- ウーファーユニット (低域再生用)
- スコーカーユニット (中域再生用)
- トゥイーターユニット (高域再生用)
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それぞれのユニット製品は、形状や構造で見た場合、以下のタイプに分けられます。
- コーンタイプ (通常型。ウーファー、スコーカーに多いです)
- ドームタイプ (振動板がドーム成型。スコーカー、トゥイーターに多いです)
- リボンタイプ (特殊型。トゥイーターに使用されることがほとんどです)
- ホーンタイプ (振動板がドーム成型でラッパ状のスロートを持ちます。スコーカー、トゥイーターに多いです)(右図)
コンデンサータイプなどほかにもありますが一般的ではありません。それぞれに特徴があり、あなたの好みや目的、リスニング環境に合わせて選択することになります。なお、振動板はダイヤフラムと呼ぶこともあります。
再生周波数帯域が十分かチェック | |||
あなたのマルチアンプシステムで使おうと思っているウーファーやスコーカー、トゥイーターを組み合わせたとき、それらで可聴周波数帯域(20Hz-20kHz、ハイレゾ再生が気になるなら30kHz程度まで)をもれなくカバーできるか事前に確認しましょう。カバーできそうにない場合、どれかのユニットについて別の候補を検討することになります。
この判断には、それぞれのユニットの周波数特性を知る必要があります。ユニットのメーカーがそれらの性能仕様を公開しているはずです。周波数分割ポイントや再生帯域について推奨値が示されたユニットもあります。それらを参考にして各ユニットごとに良好な特性で動作できる周波数範囲を決定してください。スコーカーやトゥイーターについては、メーカーが公開している下限周波数より下の周波数帯域で使うことはできません。
全ユニットを合わせたとき、あなたのスピーカーシステムは可聴周波数帯域の全域をもれなくカバーできそうですか? ただし、このチェックはあなたが市販のマルチスピーカーシステムを改造しようと思っている場合には必要ありません。
家屋や部屋に合わせて選択 | |||
家屋や部屋の特徴に合わせてスピーカーシステムを構築することについては [はじめに読んでください] セクションの「いい音に近づくために」ページに書いている通りですが、ユニット選びについても同様の注意を払いましょう。そうしないと、チャレンジの最後に後悔することになるかもしれません。要点は以下の通りです。
部屋はライブですか、それともデッド?
部屋がデッドである場合、特に低音域に不満を感じることが多いはずです。このため、ウーファー用ユニットの選択では、できるだけ超低域までフラットに特性の伸びているものを選びましょう。口径の大きなユニットほど一般に低域特性がよいので、小庵は30cm以上のユニットをすすめます。一方、部屋がライブである場合は壁や天井からの反響音が多くなるので、比較的小口径のウーファーユニットでも十分な低音再生が期待できます。ウーファーユニットはほとんどがコーンタイプを使いますが、まれにはホーンタイプにチャレンジする人もいます。
スコーカーユニットやトゥイーターユニットについては部屋による影響は少ないですが、ユニットの設置場所とリスニングポジションが近い場合(3m程度まで)はドームタイプやリボンタイプが、離れる場合はホーンタイプが有利ではないかと小庵は考えています。
部屋の広さ、高さ、形状は?
部屋が広く天井が高い環境では、大口径ウーファーが有利です。また、スコーカーやトゥイーターはホーンタイプが有利です。ホーンタイプのユニットは音のエネルギーを前方に集中させやすいという特徴があり、離れた場所へも高い音圧を届けることができます。ドームタイプやリボンタイプは比較的に近距離(3m程度まで)での音楽鑑賞で真価を発揮するでしょう。
部屋の形状が正方形や長方形でない場合は定在波が発生しにくくなるので、大口径ウーファーの豊かな低音を楽しめます。
常用音量はどれほど?
爆音が楽しめる環境の場合、大口径ウーファーとホーンタイプのスコーカーやトゥイーターがおすすめです。ただし、部屋が狭い場合はスコーカーやトゥイーターはドームタイプかリボンタイプがいいかもしれません。音量を上げられない環境ではスコーカーにはコーンタイプやドームタイプを、トゥイーターにはドームタイプまたはリボンタイプをすすめます。
好みの楽曲ジャンルに合わせて選択 | |||
大編成オーケストラによる楽曲やピアノ(最低音27.5Hz)、パイプオルガン(NHKホール設置のものが16Hz)が参加する楽曲を好んで聴くのであれば、ウーファーのサイズが重要です。小庵は30cm以上のサイズを、可能なら38cmのものをすすめます。クラシックやジャズ以外のジャンルを主に聞くのであれば25cm程度のもので十分と思います。
金管楽器による輝かしい音やシンバルの音を楽しみたいならホーンタイプのスコーカーやトゥイーターが有利です。弦楽器のふくよかな音はドームタイプやコーンタイプに合っているかもしれません。
予算に合わせて選択 | |||
ウーファーは口径が大きくなるほど一般に高価です。外国製は特に高価です。スコーカーやトゥイーターについては、ホーンタイプのユニットが最も高価で、次にはリボンタイプ、そしてドームタイプという順になるでしょう。ただし、価格と性能が比例するわけではありません。好みで選んでも大きな後悔はないでしょう。小庵によるおすすめは参考程度に受け止めてください。
なお、中古市場を利用すれば、そこで思わぬ買い物ができるかもしれません。スピーカーシステムは大切に使えば数十年にも渡って使えるものなのです。少々のことなら修理する方法があります。小庵でも大いに中古品を活用しています。
入手後の動作テスト | |||
スピーカーユニットを入手したら、テスターを使って導通テストをしておきましょう。ユニットの2つの接続端子にテスターからの端子をつなぎ、抵抗値を確認してください。4オームから8オーム程度のはずです。真空管アンプ用のものは16オーム程度のものがあります。非常に大きな値の場合、断線の疑いがあります。
ユニットの接続端子の極性(プラスとマイナス)も確認しておきましょう。2つの接続端子の大きさが異なる場合、大きいほうがプラスです。不明な場合、コーンタイプのユニットであれば1.5Vの乾電池を極性を気にせず端子に接続し、その瞬間にコーン紙がユニット前方に動くようであれば、そのとき電池のプラス側が接続している端子がユニットのプラスです。同じメーカーならウーファーであれスコーカーであれ同じように端子を配置しているでしょう。ドームタイプやホーンタイプの場合は振動板の動きが分からないので、測定器を使うか、スピーカーシステムを組み上げたときに聴感で判断することになります。ただし、トゥイーターであればプラス・マイナスをまちがっても音場への影響はあまりありません。なお、多くのチャンネルデバイダーは出力の位相を反転させる機能があり、これはユニット端子を逆に接続するのと同じ効果があります。
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アンプにつないで出力テストを行う場合は必ずボリュームゼロから開始してください。また、スコーカーとトゥイーターについては(テスト段階では)コンデンサー経由で接続しましょう。うっかり直結すると大切なユニットを破壊するかもしれません。ユニットが対応していない低域信号を入れるのはとくに危険です。コンデンサーはフィルムタイプ(フィルムコンデンサ)が耐圧面で有利です。右図を参考にして適切な容量値(μF)のコンデンサーをスピーカーユニットに直列に接続し、入力信号の低域をカットしてください。ただし、表はスピーカーの内部抵抗が8Ω(オーム)であるとした場合のものです。8Ωより低い場合は容量値が少し小さいものを使ってください。16Ωの場合には心配はありません。価格は10μFのフィルムコンデンサーが数百円程度です。容量値がぴったりのものが入手できない場合は、小さめのものにしましょう。
その他の注意 | |||
- ユニットの振動板(ダイヤフラム)やエッジ、キャップ等に触れて、それらをへこませたり穴を開けたりしないようにしましょう。
- ウーファーユニットは非常に重いので、もし落下させれば無事では済まない場合があります。エンクロージャにウーファーユニットを取り付けるとき、指を挟むなどの事故が多いようです。
- ユニットの磁石は非常に強力です。磁力の影響を受けるものは近くに置かないでください。
- 古くなってエッジが傷んだ場合、修理することができます(後記)。
これらの多くは単一ユニット構成だからマルチアンプシステムの中域再生に使えば面白い経験になるかもしれない。試した(無謀な)御仁がいれば感想を教えてほしいところだ。ただ小庵にはその気はない。どれもポケットマネーじゃ買えないからね。
エンクロージャを用意しよう | 何が必要ですか? - スピーカーシステム | |
マルチアンプシステムではエンクロージャにウーファーユニットだけを入れるのが一般的ですが、全ユニットを入れてもまったく問題はありません。しかし、そもそもそれをどう準備するかが問題です。どこかで買う? 自作? 工場で作ってもらう? それとも流用? はい、エンクロージャの準備は難関になる場合があります。
市販製品を買う | |||
ウーファーユニットが決まっているなら、それに合ったエンクロージャをその関連会社で販売しているか調べてみましょう。ユニット専用のものがあれば一番です。適合する複数のエンクロージャがある場合、あなたの好みの楽曲、部屋の問題、予算等に合わせて検討しましょう。実物に触れることができるならサイズや重さを確認し、コンコンとたたいてみましょう。ウーファーユニットにとってエンクロージャの強度は重要です。乾いた硬い音がするものがおすすめです。
自作する場合 | |||
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エンクロージャの自作はそれほど簡単ではありません。仕上がりのスリーサイズによって、その内容積や内部構造によって、板の材質や厚さによって、またバスレフタイプにするか密閉タイプにするかによって、さらにユニットの取り付け位置によって、さまざまに音の出方が変わるからです。それらを自分で設計するか、設計情報をどこかで入手する必要があります。「スピーカー 設計」と2語のインターネット検索で情報サイトがいくつか見つかります。参考にしましょう。
難題はまだあります。設計図ができても、適切な部材を入手して設計図通りにそれを切る必要があります。また、その後それらを接合することになります。塗装のことも考えなければなりません。短時間に期待通りの作業を行うことは難しいでしょう。部材の切断についてはDIY店などで外注が可能なはずです。設計図を持ち込めばその通りにしてくれます。組み立てはあなたの腕前次第です。オーディオファンの中には家具職人の腕前を持つ人がいます。
あまり自信がない場合はあなたの関与は設計図までにし、あとは家具職人等に任せるのが無難ではないかと小庵は思います。なお、「自作だから安く済むだろう」と思っているなら、それはトンだ間違いです。試してみれば分かります。
工場に発注 | |||
設計図を持ち込んで組み立てまでの一切を依頼する方法です。大型のエンクロージャを用意する場合におすすめです。市販製品を買うのと同じような品質になりますが、多くは高額になるでしょう。予算と相談してください。
既存のものを流用する | |||
これは既存のスピーカーシステムのエンクロージャのみを利用する方法です。信頼のある市販品だったなら、またあなたのユニットが追加工作なしでそこに納まるなら有力な選択肢です。中古品店、インターネットのオークションサイトなどで探してみてください。ユニット不良で音が出ないものが狙い目です。それらの多くはジャンク扱いなので、驚くほど低価格でエンクロージャが手に入ります。
スピーカーケーブルについて | 何が必要ですか? - スピーカーシステム | |
スピーカーシステムとパワーアンプとを接続するケーブルについては、長いものほど、細いものほど信号特性に悪影響が出ることがあるので、長さについては3m程度に収められるように、太さについては16AWG(ゲージ)程度以上になるようにしましょう。ただし、ゲージ数が小さいほど芯線は太くなります。一般に太くて短いケーブルほど安心して使えます。
ケーブル価格については、名の通るメーカーのものであれば最低価格のものでも特に問題はないはずです。数十万円以上のケーブルも販売されていますが、普及品と比べて音の差はほとんどありません。もし興味がある場合はコピー品に注意しましょう。インターネットには非常に多くの怪しげなケーブルが出回っています。
ケーブル端のコネクタについては、アンプやスピーカーユニット、エンクロージャに合わせたものにしましょう。スピコンやユーロブロック、バナナプラグ、Yラグなどがあり、ケーブル芯線をそのままドライバーでねじ込むものもあります。しっかり固定できることが大切です。
中古システムの改造がおすすめです | 何が必要ですか? - スピーカーシステム | |
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低コストで高性能を期待できるマルチアンプシステムを構築することが小庵の目標ですが、それにぴったりのスピーカーシステムがあります。それは、わが国のオーディオ黄金時代に販売された中型以上のスピーカーシステムを利用することです。
詳細は次のページ「中古スピーカーの改造」ページを読んでください。
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