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     チャレンジ2ch 4-way
1. 4-wayへの動機
2. 構成例と機器
3. 標準4-wayセットアップ
4. 変則4-wayセットアップ
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 - チャレンジ2ch 4-way -
構成例と機器
4-wayシステムの基本構成
多くの選択肢があります
選択1. アナログ主義で手軽に行こう
選択2. デジタル主義で行こう
選択3. 全方位主義で行こう
3-way遺産を活用してコストカット(変則4-way)
   
このページはラブラドールレトリバー犬soopooが書きました。

このページは4-wayマルチアンプシステムをどう構築するか書いています。ただし、本ページはあなたが小庵の [チャレンジ2ch 3-way] セクションを読んでいることを前提にしています。

3-wayシステムと比べ、4-wayではパワーアンプやスピーカーユニットの数が増えます。8個の出力を持つチャンネルデバイダーも必要で、3-wayよりセットアップはずっと大変です。それなのに期待した成果を挙げられないかもしれません。迷ったときは [チャレンジ2ch 3-way] セクションなど他のページを読み返してみることを小庵はすすめます。

なお、小庵は「ポケットマネーを慎重に使わなければならない人」を読者として考えているため、システム構成や機器の選択についてはコストをかけないことを重視した内容になっています。

4-wayシステムの基本構成 
チャレンジ2ch 4-way - 構成例と機器 
   

4-wayマルチアンプシステムは一般に右図のような構成になります。

音源再生装置や入出力機器の選択、購入時の注意点等については3-wayシステムの場合と同じです。

多くの選択肢があります 
チャレンジ2ch 4-way - 構成例と機器 
   

4-wayマルチアンプシステムの基本的な構成については上に書いた通りですが、それを具体的にどう実現するかについてはとても多くの選択肢があります。このため、チャレンジを開始する前に、最終的にどんなシステムをあなたが構築したいと考えているのかを明確にし、それに合わせたセットアップ計画を立てる必要があります。

      4-wayに対応するデジタルチャンネルデバイダー

8個の出力を持つチャンネルデバイダーは世界的に見ても多くありません。デジタル方式のものの大部分はSR(PA)用途です。2020年5月に小庵でネット検索したところ、以下のものが見つかりました。ただし、24bit/96kHz動作でAES/EBUデジタル入力に対応するものだけです。同じ製品でも価格はサイトによって大きく変わります。

どれもほぼ同じ機能を持っているのでDCX2496と同様にセットアップできるはずですが、それにしてもポケットマネーでは難しいですね。後述の「DCX2496 2台+AES/EBU分配器」という組み合わせと比較して価格面で有利なのは "DSM48" だけです。どうしましょうか?

3-way対応製品で4-wayを?

4-wayマルチアンプシステムだからといって4-way対応のチャンネルデバイダーが必要というわけではありません。3-wayのDCX2496を2台使う方法や、既存のDCX2496に安価なアナログデバイダーを組み合わせる方法もあります。

本サイトはすでに [チャレンジ2ch 3-way] セクションでDCX2496の運用について説明済みです。そこで、それを2台にする方法で、またはそれにアナログデバイダーを追加する方法で4-wayマルチアンプシステムを構築してみることにしました。

DCX2496をモノラルモードで使うのはNG

小庵では試していませんが、DCX2496はモノラルモードで動作させれば6-wayまで対応できるチャンネルデバイダーとして使うことができます。モノラルモードではDCX2496のINPUT Aへの入力のみが有効になるので、たとえば、DCX2496を2台用意し、1台目のDCX2496のINPUT Aコネクタに左チャンネルを入力し、2台目のINPUT A(INPUT Bではありません)に右チャンネルを入力するという使い方をします。ただし、これはアナログ入力の場合です。デジタル入力ではそのような使い方はできません。

誤解する読者がいるかもしれないので念のために書いておきますが、モノラルモードのDCX2496にAES/EBUデジタル入力を行うと、入力の左チャンネル信号のみが処理されることになりステレオ処理が不可能になります。2台のDCX2496が左チャンネルのみを出力するということです。1台目で左チャンネルを、2台目で右チャンネルをという使い方はモノラルモードのデジタル入力ではできないことになります。これについてはセットアップページで具体的に触れます。

      マスターボリュームについて

4-wayの場合、システムのどこかで全8チャンネルを連動させた音量調整を行わなければなりません。DCX2496のようなデジタルタイプのチャンネルデバイダーを使う場合、そこへはゼロデシベル(最大音量)入力を行う必要があるので、連動ボリュームはデバイダーの後段に置くことになります(上図参照)。

8連ボリュームの準備については [何が必要ですか?] セクションの「マスターボリューム」ページを参照してください。ただし、システム構成によっては6連ボリュームを利用できる場合があります。これについては本ページの「3-way遺産を活用してコストカット(変則4-way)」を見てください。また、AVアンプを活用することでマスターボリュームを別に用意する必要がなくなる場合もあります。

      パワーアンプについて

3-wayシステムと4-wayシステムとでパワーアンプの選択や運用法について異なるところはほとんどありませんが、アンプ数が増えるので消費電力や発熱への配慮が必要になるかもしれません。接続ケーブルも増えますね。パワーアンプの選び方の詳細は [何が必要ですか?] セクションの「パワーアンプ」ページを見てください。

      スピーカーユニットの選択と使い方について

前ページ「4-wayへの動機」で書きましたが、マルチアンプシステムで使うスピーカーユニットは、最もフラットな再生特性を得られる周波数帯域でそれを使うことが大切です。個々のユニットの実際の特性を知る必要がありますね。メーカーが公開している周波数特性図を参考にしましょう。PCと専用ソフトウェアを使ってあなた自身で実機を測定することもできます。測定については [チャレンジ2ch 3-way] セクションの「詳細セットアップ」ページに具体的な方法が書いてあります。

入手ユニットが決まっている場合はそのユニットが最も得意とする周波数範囲でそれを使うようにシステムをセットアップしましょう。ユニットをこれから決める場合は現システムのどの周波数範囲をそれでカバーするかをよく検討してユニット候補を決めましょう。スピーカーユニットやエンクロージャの選び方の詳細については [何が必要ですか?] セクションの「スピーカーシステム」ページを見てください。

選択1. アナログ主義で手軽に行こう 
チャレンジ2ch 4-way - 構成例と機器 
   

ここで書いた「アナログ主義」とは、AM/FM放送やLPレコードプレーヤーからのアナログ出力、Blu-ray/CD/DVD/SACDプレーヤーからのアナログ出力、デジタル音源をアナログ変換した出力など、アナログ音源のみをチャンネルデバイダーに入力するやり方です。典型的にはAVアンプやプリアンプ(プリメインアンプ)を経由してチャンネルデバイダーDCX2496をアナログモードで利用することになります。

この場合、とても手軽に4-wayマルチアンプシステムを実現できます。この方法は6-wayシステムまで構築可能で、実際にこの方法で4-wayや5-wayのシステムを構築している人が少なくないはずです。ただし、5-way以上になるとマスターボリュームをどうするかで大きな課題があります。

      マスターボリュームを省略できる?

「AVアンプやプリアンプ等で音量調整できるからマスターボリュームはいらない」と思わないでください。デジタルチャンネルデバイダーを使うマルチアンプシステムを成功させるための秘訣「デバイダーの前で音量を絞ってはいけない」を思い出しましょう。詳細は [何が必要ですか?] セクションの「音源再生装置/入出力装置」ページを読んでください。

      SRC2496の併用をおすすめ
   

[チャレンジ2ch 3-way] セクションで触れましたが、DCX2496へアナログ入力を行う場合、「入力信号電圧が不足する」という問題が起きやすく、そうなるとせっかくのマルチアンプシステムの魅力が半減してしまいます。

このため、小庵はDCX2496の前段にSRC2496を設置することを強くすすめます。詳細は [チャレンジ2ch 3-way] セクションの「SRC2496等セットアップ」ページを見てください。

SRC2496からDCX2496への接続はXLRアナログケーブルを使います。

      DCX2496+アナログデバイダー構成も!!
   

変則的な方法になりますが、3-wayシステムにアナログデバイダーを追加することで4-wayシステムを実現することもできます。Behringer社であればCX2310(2-way対応)またはCX3400(3-way対応)が使えます。どちらもDCX2496よりずっと安価です。設定も楽です。

アナログデバイダーCX3400を追加すれば5-wayシステムまで構築可能です。

DCX2496による低域や中域、高域のどの出力にアナログデバイダーを追加するかによってさまざまな4-wayシステムを実現できます。8連ボリュームを必要とせず既存の3-wayシステムを簡単に拡張できます。コストパフォーマンス抜群ですね。

      手軽なのですが…

アナログ主義なら本当に簡単に4-wayシステムを実現できてしまいますね。そのかわり、デジタル音源をそのままの音で聴くことはできません。Blu-ray/CD/DVDプレーヤーやPC、ネットワークプレーヤー等からのデジタル音源はAVアンプやDAC等でアナログ変換が行われてしまいます。それがDCX2496でまたデジタル変換されることになります。これはあなたにとって受け入れられることですか?

 
Gのコメント
オーディオファンとしてはデジタル変換やアナログ変換はできるだけ避けたいところだからね。
「4-wayや5-wayに期待できるわずかな価値がそのおかげで吹っ飛んでしまう」と考える向きもあるだろう。

選択2. デジタル主義で行こう 
チャレンジ2ch 4-way - 構成例と機器 
   

ここで書いた「デジタル主義」とは、デジタル音源を一度もアナログ変換することなくチャンネルデバイダーに入力するやり方です。構成は右図のようになります。(SRC2496へはアナログ入力も可能)

この方法は6-wayシステムまで構築可能ですが、5-way以上になるとマスターボリュームをどうするかに大きな課題があります。

      分配器が必要です

DCX2496 2台を仮想的に1台のチャンネルデバイダーのように使うため、SRC2496からの1つのAES/EBUデジタル出力を分配器により2つに分ける必要があります。これにより2台のDCX2496に同じ2チャンネル信号が入ることになります。音が悪くなる? デジタル分配ではそんなことはありません。

分配器は以下を参考にしてください。ほとんど同機能・同性能のはずです。

選択3. 全方位主義で行こう 
チャレンジ2ch 4-way - 構成例と機器 
   

全方位主義4-wayでは、アナログ音源もデジタル音源もフルに楽しめるようにします。これは実際には前記「デジタル主義」による構成と変わりません。

  1. アナログ機器またはデジタル機器からのアナログ信号はAVアンプを経由してSRC2496へ入力します。このときSRC2496でゲインを調整します。

  2. デジタル音源はすべてSRC2496のS/PDIFインターフェースへ入力できるようにします。デジタル機器が多い場合はデジタルセレクタを導入します。

  3. SRC2496からはAES/EBUケーブルによるデジタル出力を行い、AES/EBU分配器を経由して2台のDCX2496に接続します。

  4. 2台のDCX2496で周波数帯を合計4分割し、それらを8連マスターボリュームへ出力します。

これらのセットアップ内容は [チャレンジ2ch 3-way] セクションで書いたものとよく似たものになります。詳細は「標準4-wayセットアップ」ページで改めて取り上げます。

3-way遺産を活用してコストカット(変則4-way) 
チャレンジ2ch 4-way - 構成例と機器 

前にも書きましたが、構築済みの3-wayシステムをベースに、それを拡張する形で手軽に4-wayシステムを実現することもできます。コストが気になるなら小庵はこのやり方をすすめます。詳細は本セクションの「変則4-wayセットアップ」ページで取り上げます。

      変則の基本形
   

DCX2496による低域、中域、高域の出力のどれかをさらにアナログデバイダーで分割します。この方法には以下のような大きな導入メリットがあります。

ただし、十分な予算があったとしてもデジタルデバイダーを追加するのはやめておきましょう。DCX2496に限らずデジタル機器の使用には遅延が発生するので、システム全体のタイムアラインメント管理が難しくなってしまうからです。

      変則の変則形
   

既存の3-wayのどれかの出力チャンネルにアナログデバイダーからの出力を重ねる使い方です。超低域の増強にとくに有効です。たとえば、あなたのリスニングルームがデッドな場合に超低域(小庵では50Hz以下)を増強することができます。あるいは現システムに超高域だけを重ねることができます。

なお、中低域に影響がないように超低域を増強するよく知られた方法として、左右信号をミックスしローパスフィルタを通すことで実現するサブウーファーシステムがありますが、小庵のGは超低域信号のミックスには問題があると考えています。

 
Gのコメント
「低音には指向性がない」と言うのはその通りだが、「だから1個のサブウーファーでよく、それをどこに置いてもかまわない」というのは単純すぎる。ステージの右に置かれた低音楽器はちゃんと右から聞こえなければならないし、ドラムスとベースの音が明瞭に聞き分けられないといけないのに、2つを混ぜて中央から再生したのでは、音のひずみがひどくてただブンブンするだけの低音になってしまう。位相管理にも問題がある。

左右の超低音をミックスするのはウーファーユニットにとって悪夢なのだ。たとえばオスカー・ピーターソン・トリオは左にドラムスで右にベースを配置するが、両方の音を中央のサブウーファーから再生するとひどいことになる。近接する周波数の低音を大振幅で1個のユニットから再生するのは無理があるのだ。ベースの音を再生しようとしてユニットの振動板が前方へ動こうとする同じタイミングでバスドラムの音がそれを後方へ引っ張ればどうなると思う?

 
soopooのコメント
えっ? ぼくに質問ですか?
さあ、どうなりますか?

 
Gのコメント
押すのと同時に引くんだから振動板はまともに動けないのさ。動けたとしても痙攣(けいれん)したような動きになる。混変調の嵐だ。だから言っているのだ。オーディオではサブウーファーも左右独立させなければならない。マルチなら簡単な話だ。

   

 
soopooのコメント
そういえば、散歩でぼくがどんどん前に行こうとするのをGが強引に引き戻したことがありましたね。
あのとき首が苦しくて必死でしたが、それと同じなんですね。

 
Gのコメント
soopooは体が大きいからこちらも必死だった。
それじゃ今日の散歩に行こうか。

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